第2章 散策の先で見た物
森の奥は昼にも関わらず夜のように暗かった。
さっきのパパゴラスは一体どこへ行ったのだろう?
薄気味悪いと感じながら進んでいくと、そこには・・・・・・・・・
沢山の、パパゴラスがいた。
「こんなに沢山・・・・・・!?10、20、もっといる!!」
身の危険をすぐに感じ、背筋に冷たい雫が流れる。
戻ろうと思ったとき、沢山のパパゴラスが留まる大きな木の根元に、キラリと光るものがあった。
もしかして・・・・・・・・・・・・銀の羽!?
やっと、見つけた・・・!
私は大きく深呼吸して、キッと前を睨んだ。
刹那、沢山のパパゴラスたちが一斉に私に襲いかかる。
数匹ずつさばきながら、私は光るものを取ろうと手を伸ばした。
だが、手は届かず空を切り、近づこうにも鳥たちが邪魔で進めない。
どうしよう、どうすれば・・・・・・!?
動転してしまい、私は後ろからの襲撃に気づけなかった。
背中に硬い物・・・嘴が当たるのを感じた。
痛いっ・・・・・・!!
激痛が走る。皮膚を噛まれているようで、嘴の動きを感じた。
痛みで動けなくなるうちに、他の部分も噛まれたり蹴られたりする。とても痛い・・・!
(マスルールさんの忠告を、ちゃんと聞いておけば・・・!)
マスルールさんは無口な人だ。言わないから聞かないじゃなくて、聞きに行けば良かったのに、私は・・・・・・・・・
脳裏にアリババさんの顔が浮かぶ。優しい笑顔が。
ああ、彼に恩返しがしたかったなあ・・・・・・
薄れてなくなっていく意識の中、私の頭にあったのは彼のことだった。