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モルジアナと銀の羽

第1章 休憩とおとぎ話


「モルたん、やっほ~!!」
大きな鳥に乗って私に話しかけてきたのは、
八人将のピスティさんだった。
彼女はある程度地面の近くにくると、まとめた金髪を輝かせながらぴょん、と地面に降りた。
「どしたの~?何か考えてるように見えたけど?」
「えっと、実は・・・・・・」
私は先ほど見た、アリババさんの様子について話した。
もしかしたら、ピスティさんが何かいい方法を見つけてくれるかもしれない、と思ったから。

「・・・・・・・・・モルたん、ちょっとだけ違う話になるけど、
おとぎ話みたいなお話を聞かせるね」

私が期待した言葉とは少し違う言葉が、返ってきた。
おとぎ話とは、誰かが作り出した話のことだと聞いたことがある。
何故今、おとぎ話を話すのだろう?
疑問を持ちながらも、興味があったので私は彼女の話に耳を傾けた。

「この国の森にいる鳥、パパゴラスは勿論知ってるよね?」
「はい、もちろん」
「よしよし。でね、そのパパゴラスなんだけどね・・・
たまーーに、すっごくたまーにね、”銀の羽”を落とすんだって!」
銀の羽。聞きなれないコトバだ。
「あの、”銀の羽”とは一体・・・?」
「それはね~、パパゴラスの羽なんだけどね、たっま~にしか取れないんだよ。その”銀の羽”は、願い事を叶えてくれるらしいんだよ!」
願いが、叶う。
私はそれを聞いて、今私がやれることがわかった。

そう、その”銀の羽”を手に入れてアリババさんに渡すのだ。
そうすれば彼は少しは安らげるだろう。

「ありがとうございます、ピスティさん!」
私はお礼を言って立ちあがると、森に行くと告げるため
マスルールさんの所へ向かって走り出した。

「え、ちょ、モルたん!?どこ行くのー!
あたしも連れて行ってよー!」
「どこへですか、ピスティ?」
「・・・・・・・・・ちょっと、そこまで。あ、そうだ、
ジャーファルさんも行きますk・・・」
「さっさと仕事に戻れーーーーッ!」

道中、ジャーファルさんのものすごい声が聞こえた気がした。
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