第1章 実習先、間違えました!!
しかしまぁ。
よく寝てるわね。
………。
メガネ外したら、なかなか、とゆーよりかなり美形じゃない。
なんでこの人メガネなんてしてるの?
勿体ない。
ボサボサ頭のモサイメガネくんかと思ったら。
かなりの上玉じゃん。
この人絶対損してるわね。
あのナリじゃ、女の子寄って来ないじゃない。
仕方ないなぁ。
リッカさまがキミのはじめて、もらってあげるわよ。
とびきり気持ち良くしてあげる。
もっとも。
明日は永遠に来ないけどね。
「いただきまーす」
布団の中へと潜り込み、ズボンからこんにゃくみたいにふにゃふにゃのものを取り出して。
あーん、て。
口を開けた。
けど。
「何してんの」
「うぷ」
それは口の中へと入る前に、伸びてきた掌にじゃまされ。
あたしの唇は彼の掌とキスする羽目になった。
「あれ、起きたの」
やば。
起きるのとか、想定外。
寝てるうちに終わらせたかったのに。
「下半身ゴソゴソまさぐられれば、誰でも起きると思うけど?」
「え、えー?なんのこと」
「いただきまーす、って何しようとしてたの」
「………」
いつから起きてたんですか。
あれ。
実は寝てないとか?
えー?
リッカちゃん、早くもピンチ?
え、えーいこうなりゃもう。
これでどうだ!!
彼の首へと腕をまわし、深く深く口付けた。
リッカの唾液には催淫作用あるんだからね!!
たくさん、ねっとりと舌を絡めてあげる。
これでもう、意識保てないはずよ。
「………終わり?」
「え」
あれ。
効いてらっしゃらない。
なんで?
「なんなのこれ、なんかの罰ゲームかなんか?」
え。
あれ。
声。
………顔。
誰?
どさり、と布団へと押し倒されて。
ものすごい腕の力。
掴まれた手首、痛いし。
誰。
モサイメガネくん、なんて言ったの。
目の前にいるのは、全然そんなじゃなくて。
獲物を狩る、獣。
いつも困ったように冴えなかった表情は、自信に満ちた、ライオンみたいに鋭く光ってる。