第2章 ターゲットからの提案
「…………っ」
「何。身体熱くね?」
わざとらしく。
舌が首筋を、這っていく。
後ろからまわされた指先が、擦るように胸の先へと、触れていく。
なんで。
おかしい。
身体、おかしい。
こんなの初めてだ。
こんな。
こんなの…………っ。
だってこんな…………。
これは紛れもなく。
発情だ。
淫魔が自分から発情するなんてありえない。
相手に主導権渡すとか、絶対ありえない。
「身体すごいね。自分からおしり押し付けてっけど。」
「…………っ」
違う。
こんなの嘘。
嘘だ。
違う。
発情なんてしない。
「ちが…………ぅ、さわ、な、で」
だめだ。
とーるの手が下着越しに秘部へと伸びて。
撫でるように、動けば。
それだけでもくちゅ、って、音が漏れる。
「…………頑張れ」
「…………っ、ん」
なんで。
力が入らない。
下着越しに触られてるくらい、感じるわけなんてないのに。
なんで。
だめだもうこれ。
「…………きも、ちぃ」
「まぁ、耐えた方か」
「?」
「なんでもない」
熱い。
身体、熱い。
吐く息すら熱くてのぼせそうになる。
「直接触るから」
気付けば。
先程右手が焼かれた窓へと背中がくっついた。
瞬間。
「やべ」
って、とーるの声とともに。
ジュゥウ、って。
今度は背中が焼けこげて。
さすがに背中は範囲が広すぎた。
痛みが、脳まで届く。