第2章 ターゲットからの提案
…………。
なんなのよいったい。
さっきからミンクのことじっとみたりして。
そりゃ。
人間に使い魔なんて存在しないわけだから、珍しいんだろうけど。
でもでも。
とりあえず尻尾!!
離してよぉ!!
ぎゅむーっ、て。
尻尾をやつの手から逃そうと頑張ってみても全然こいつの手から尻尾は抜けなくて。
駄目だ。
体力だけなくなる。
「とりあえずこれは本物だってことはわかった」
…………もうお願い、尻尾握らないで。
「で、尻尾から出てきたこいつは?」
「…………ミンク」
「よし、ミンク」
ぶるぶる震えるミンクへと膝を曲げて視線を合わせると。
「キミもう帰っていいよ」
やたら脅迫じみた笑顔をミンクへと向けた。
「…………」
いやいやいや。
仮にも(見習い)悪魔とその使い魔がたかだか人間如きにビビっちゃ駄目でしょう!!
ね、ミンク!!
ボン!!
「…………」
消えた。
裏切ったわね、ミンク。
「…………で」
ビク。
やばい。
うわこれ、死亡フラグ的な?
いや違う!!
ここはあれよ!!
こいつの『精』全部もらえばいいのよ。
骨の髄まで搾り取ればいいんだわ。
もともとその予定だったもの。
もともと、生死は問わない試験なんだから。
うう。
ただ。
昨日食べ過ぎて正直当分お腹いっぱいなのよね。
「…………ひとの下半身ガン見どーかと思うよ」
はぁ。
とふっかいため息ひとつ。
再度尻尾は彼の手から解放され。
ポン。
跡形もなく、消えた。
「だから、初めからそーしとけっつってんじゃん」