第2章 ターゲットからの提案
「何?しまえっつったじゃん、これ」
「うっきゃぁ!!」
ぎゅうーって、『尻尾』、掴まれて。
やばい。
力、抜ける…………。
「何脱力すごくね?これ?ん、弱いの?」
「…………おはなしいただけますか」
「ああ、はいはい」
パッと彼の手から逃げ出した瞬間。
尻尾は逃げるようにあたしのもとへと巻きついた。
「…………尻尾ねぇ」
「何、か」
「いや。男もののシャツきて尻尾とか」
「?」
「や、動物プレイ的な」
ドウブツプレイテキナ。
とは。
何。
そしてなぜあたしまた押し倒されてるのかしら。
あたしが押し倒したいんだってば!!
「なんで押し倒されなきゃなんないの!」
ちゅ、て。
また首にキスされて。
胸に指先が、触れる。
「ん…………っ」
「ほらやっぱり、感度いいね」
「し、らな…………っ、もうそれ、やだってばぁ」
だいたいなんでこの状況で冷静なわけ!!
尻尾!!
牙!!
おかしいとか思わないの、この人!!
「も、や、め………んん!!胸、やだぁ!!」
どーしよう。
やばいやばいやばい。
このままこいつのペースにもってかれるの、やだ。
なんとかして逃げなきゃ。
逃げなきゃ、って。
思うのに。
さっきからピチャピチャ胸ばっか舐められて。
指先で転がされて。
力が入らない。
なんなのこれ。
なんの魔力?
こいつも悪魔なわけ?
「自分から腰擦り付けてきてんじゃん。エッロ。これでもまだ続けんのその演技」
「え、んぎって、しらな………。だってからだ、かってに」
「ほら、もうこんな」
「ひゃぁっっ!!」
指!!
また指入れたこいつ!!
「それ、いやだ。いたい…………」
くちゅくちゅと指先がなかをかきまわし。
先ほどの痛みが脳内再生。
勝手に涙出てくる。