第2章 ターゲットからの提案
「……………………」
…………。
…………。
窓の外ではチュンチュん鳥の囀りすら聞こえるし。
眩しいくらいの光が、カーテンの隙間から漏れている。
言うなれば。
清々しい朝。
いや。
うん。
でもほら。
あたし、悪魔だし。
悪魔は普通、夜行動するから。
朝は基本寝てる。
寝てる。
のに。
なぜだか頭がスッキリしちゃってるし身体ふっわふわ。
嘘。
精って、こんなに活力すごいの!?
人間って、すごい!!
「…………つーかさ、それ、とりあえずしまわない?」
「?」
声?
男の人。
男。
「嘘!!え、なんでまだいんの!」
まさか部屋の中に人間がいよーとは思わなかったわけで。
突然の出来事に思わず後退り。
ついでに勢い余ってぶつけた頭がちょっと痛いかも?
「なんでも何も、ここ俺ん家だし。どっちかーてーと出てくのあんたな」
「い、いや!!じゃなくて!!」
なんでまだ、生きてんの!!
あたし昨日。
相当『喰った』。
そりゃもう。
干からびてカッツカツになるくらいには。
「…………?」
疑問顔で近づいてくる彼に半ばビビりながらも、とりあえず睨みあげて威嚇は忘れない。
どーせもう体力なんてほとんど残ってないに決まって…………
「ふぎゃ!?」