第30章 シークレットサンタ
次の日から私はクリスマスの準備に大忙しとなった。
子供達へのプレゼントや会場の準備と、信長様と過ごすクリスマスの準備。
特に頭を悩ませたのが、
「信長様へのプレゼント、どうしよう………」
手作りの着物はもう事あるごとに贈ってるから、それをクリスマスに贈るのもひねりがない気がするし、かと言って借金まみれの私に信長様が喜びそうな物を買えるはずもない……
「プレゼントはお金じゃないわ、気持ちよ!」
と言って気持ちを上げてみるものの、
「でも、やっぱりなんでも良いってわけじゃないよね……」
金平糖なんてありきたりだし、そもそもこの時代の金平糖は私の時代と違って超高級品で易々と手が出ない。
「うーーーん、悩む!」
悩んだ時はいつだって相談するに限る!
「信長様への贈り物?」
と言うわけで、やって来ました針子部屋。
「うん。みんなの意見を聞きたくて…」
頼みの綱はやっぱ女友達!
「え、て言うか何の贈り物?誕生日でもないでしょ?」
「あ、あのね、例の子供達への贈り物の件で、どうせなら二人きりでも贈りあおうって事になって…」
「えーっ、良いなぁ、なにそれー」
「あ、ほらみんなにも説明したけど、クリスマスって言うのは、子供以外にも恋仲同士で贈り物を送り合う日でもあるから、それもやろうって事になったの」
「なるほどー、それ良いね。私も彼を誘ってみようかな…」
「えー、ずるい私も旦那とやりたいー」
プレゼント相談は、いつの間にかクリスマスの過ごし方講座みたいになり、針子部屋は大盛り上がり!
はっきり言って、私は本当のクリスマスを知らないし、もしかしたら変なクリスマスのイメージがこの戦国時代に定着しちゃうかもしれないけど…、
「うん、それが良い!みんなで素敵なクリスマスにしようっ!」
〔おーー!!〕
楽しい行事として後世に残るのなら良いよね!と、ポジティブに受け止めて、大好きな人と素敵な一日を過ごすべく、針子達総出で素敵な贈り物を考え合った。