第30章 シークレットサンタ
「シークレットは秘密のって意味で、だからシークレットサンタは秘密のサンタクロースって名前の行事なんですけど、その名の通り、プレゼントを贈る相手に誰からかを伏せてクリスマスプレゼントを送るんです」
シークレットサンタには、友達同士の間でプレゼントを贈りあって楽しむものもあれば、日々の生活に困る子供達へ送り主を伏せて贈り物をするものなどがあり、私は今回、恵まれない子供達へプレゼントを贈りたいと考えている事を信長様に伝えた。
「なるほど……。大方理解はしたが、そのしーくれっとさんたとやらを、貴様はやりたいと言う事か?」
「はい!」
「して、子供達とは、どこの子供達にするつもりだ?」
最初は面白半分で聞いていた信長様も、いつしか身を乗り出しお酒を飲むのをやめていた。
「最初はお寺の子供達にと思ってたんですけど、どうせならお寺を会場にして、来てくれた子供達全員に贈りたいと考えてます」
最近ではお寺の噂を聞きつけた様々な子供達が来てくれるようになってきたけど、生活に困ってる子供達はもっといるはずで、こう言うイベントを機に噂を広めて救いの手を広げて行きたい。
「贈る物は何とする?また貴様の針仕事で得た給金を全て投げ打つつもりか?」
「いえ、私のお給金はほとんどないと言っても過言ではいので…」
「ふっ、あれ程働いておるのに給金がないとは不憫だな。一体に何に使っておる?」
「うっ、その質問、信長様がします?」
私のお給金は、お寺の子供達への寄付や信長様への借金返済(遊女屋からの身請け金のリボ払い)に当てていて殆ど残らない。(← 伽耶がどうしても払うと言い張る為、払っているていで信長が密かに貯めてくれていることは知らない)
「生涯をかけて返すほどの借金がある貴様がどの様に子供達に贈り物をするつもりだ?」
「プレゼントの品は購入品ではなく寄付を集います。まだ使えるけど必要無くなった物や、頂き物で使っていない物。職人さんとかだと、少し傷があって商品にはできないけど使うには遜色ない物とか、手作り品とか色々あると思うんです。その中で子供達が喜びそうな物を綺麗に包んであげたいなって思って…」