第29章 収穫祭の珍事
(確か伽耶の話ではこの物怪はツガイであったはず。であれば、伽耶の方にも俺に似た物怪が出ていると言うことか?)
「信長様、もう待てない、早くきて〜」
女は伽耶の顔、声で大股を開いて俺に見せ、早く楽にして欲しいと叫んだ。
「ふっ、大胆だな。だがそんな貴様も悪くない」
これが本物の伽耶であったのならば、手加減などせず一晩中甘い声を上げさせてやるのに……
「ああん、信長様何処へっ!」
廊下へ出るため扉を開けると、女は不服そうな声を上げた。
「愛しい女の所に決まっておる。貴様もこの様な事はやめて愛しい男と共に成仏せよ」
もう少し、伽耶が決してせぬであろう事をさせて見たかったが、伽耶の身が心配だ。
「まぁ、それなりに楽しませてもらった」
「なっ、なによっ!騙されなかったって事っ!きぃーーっ!悔しいっ!」
女の悔しそうに叫ぶ大声を背に、伽耶のいる部屋へと急いだ。