• テキストサイズ

【イケメン戦国】オレ様とカエル

第29章 収穫祭の珍事



「っ……」

本当に油断ならないっ!

「ふっ、隙を見せる貴様が悪い」

「恋人の前で警戒してる人なんていませんっ!」

一番ありのままを見せてる人なのに……(多分…)

「はしゃぎすぎて怪我をせぬよう気をつけろ」

「分かってます!」

はははっ!と信長様はご機嫌に笑いながら、村人男性陣達と田んぼの方へ歩いて行ってしまった。


「もう…子どもかっ!」

去っていくイタズラ好きな恋人の背中にごちる。


「ふふっ、本当に仲睦まじくていらっしゃる」
「本当に、羨ましい」


「わぁん、お恥ずかしい……っ!」


男性陣は稲刈りへ。
女性陣は収穫祭の準備へと分かれて、私は村の女性達に揶揄われながら、支度の手伝いへと向かった。



・・・・・・・・・・


「でも、信長様って、あんなふうに笑われるお方なんですね」

収穫祭の準備中も、女性達からの質問は続く。

「もっと怖いお方だと思ってましたので驚きました」

「あ、はい。信長様は優しいです。怒らせると怖いですけど…」

「信長様が、伽耶様に怒ることがあるのですか?」

「あります、あります。よく怒られます」

「どんな事で怒られるのですか?」

「え?あっと……基本は、ダメだと言われていたのにそれをしてしまった時とかですかね……」

(遊女屋での信長様は本当に怖かったけどこれはさすがに言えない)

「まぁっ!愛されてますね」

「羨ましい」

何を話しても最後はこの言葉で締めくくられてしまい、嬉し恥ずかしな気分だ。

「そう言えば伽耶様、この村に伝わる幽霊の話をご存知ですか?」

「幽霊っ!」

話がいきなり飛んだと思えば苦手なホラー話っ!?

「幽霊とかはかなり苦手なんですが、どんな言い伝えですか?」

聞いたら目を瞑って髪も洗えなくなる程怖がりな癖に、どんな話なのかを聞きたい私は身を乗り出してしまった。


「実はこの村には………」


収穫祭の準備をしながら、私はこの村に伝わると言う幽霊の話をしっかりと聞いてしまった。




/ 449ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp