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【イケメン戦国】オレ様とカエル

第4章 カエルの正体



だって…本当に死ぬと思った。

知らない時代に飛ばされて、犯人の様な疑いの目を向けられ、それでも無人島よりはマシだと思って楽しもうと思ったけど、こんな、道に迷っただけで、死と絶望感に襲われるなんて思ってなかった。しかも襲って来た人物が目の前で処刑されそうになるのを庇うことになるなんて…


「っ、…うぅ…助けてくれたのに泣いたりしてごめんなさい。でも怖くて…怖かったから…」

信長様が助けてくれなかったら今頃…それを思うだけで体は余計に震え上がる。

何で私がこんな目に遭うのか?こんな目に遭うほど何を悪い事をしたと言うのか?ここに来てからと言うもの、整理のできない出来事ばかりで悲しくて悔しくて、怖かった。

泣き顔を見られたくなくて下を向いて涙を止めようと唇を噛んでいると、ふぅ〜っと、大きなため息が頭上で聞こえた。

(呆れてるんだ)

そう思った時、フワッと体が浮いた。

「っく、……えっ、ええっ!?」

呆れ顔の信長様が目の前にいる!

(……これは…お姫様抱っこってやつをされてるっ!?)

「だっ、大丈夫です。立てます。下ろして下さいっ」


「貴様は…不思議な女だ」

人生初のお姫様抱っこに戸惑っている私に構わず、信長様は口を開いた。

「え?」

言葉を交わし目が合えば、今度は体の熱が一気に上がって恥ずかしさで極度の緊張感が襲って来た。

「ふっ、泣いておるのかと思えば次はりんごの様に首まで赤い。一体貴様はどうなっておるのだ?」

「…っ、下ろして頂ければ顔の色は元に戻りますから、下ろして下さい」

抱き上げている腕の逞しさが着物越しでも分かって胸がバクバク騒いでる。




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