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【イケメン戦国】オレ様とカエル

第28章 勝利のキス



「一番長く手筒を燃やすことが出来た者が伽耶から勝利の口づけをしてもらうってのはどうだ?」

政宗の口から飛び出したのは、奇抜すぎる大迷惑な案。


「おいっ、政宗お前…何言ってんだ!?」

秀吉さんが慌てるのも無理はない。

「そうだよ政宗っ!私も困るよっ!」

(勝者への褒美がキスって、こんなの私からしたら罰ゲームだよっ!それにそんな事、信長様が許すはずないっ!)

きっとかなり不機嫌な顔をしているはずと思って信長様の顔色を伺うと……


「面白い。ならば俺も参加しよう」

「へっ!?」

私の予想に反して、信長様はとても楽しそうに挑戦的な顔でそう言った。

「そうこなくちゃな!」

政宗は嬉々として目を輝かせる。

「信長様っ!私は嫌ですっ!私が勝利のくっ……口…ごにょごにょ…を誰かにするなんて……」
(ダメだ。言葉を口にするのも憚られる)

「おや、それほどに嫌われていたとは心外だな。悲してく涙が溢れそうだ」

「光秀さんっ!笑ってるようにしか見えませんけどっ!」

「俺は反対です。手筒には当たり外れがあって、それは点火して終えるまで誰にも分かりませんよ。そんな運任せな勝負に伽耶を賭けても良いんですか?」

家康の助け舟、

「そうですよっ!私のくっ、くっ、ごにょごにょ……なんて誰も欲しくないじゃないですかっ!勝負するにしても賞品はもっと何か有意義なものにして下さいっ!」 

(断固反対!断固反ーーーー対!!!!)


「……私は、賛成です」

思いがけず賛成側についたのは三成君。

私たちの視線は一斉に三成君へと注がれた。


「みっ、三成君?」
(一体どうしたの!?)


「伽耶様は我が軍にとっての縁起物だと日頃から信長様が申しておられる通り、この織田軍にとって勝利の女神と言えます。そんな伽耶様から勝利の祝福を賜るなんて誉でございます」


(………っ、なんて爽やかな笑顔で…!つっこみたいのに怒れないっ!さすが軍師っ!)



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