第25章 余裕な彼
「ふぁあん、もうダメっ!」
「愛らしい反応だな。その愛らしさに免じていかせてやる」
グンっと腰を力強く入れられると、壁との挟み撃ちで最奥を突かれた。
「————————っ!」
目の前が一瞬弾けて、そのまま大きな刺激に飲み込まれた。
・・・・・・
「伽耶、暫くは貴様に護衛をつける」
グッタリと力の抜けた私を絨毯の上に寝かせ、信長様は重い言葉を口にした。
「………え?」
「戦が始まれば…いや、戦が始まらずとも既に敵は俺の弱みを突こうと躍起になっている。貴様の身が一番危険だ」
「私が…信長様の弱みになるって事ですか?」
「そうだ」
「っ…… 、ちょっ、ちょっと待ってください」
(ヤバい!真剣な話って分かってるけど顔がニヤけてしまう)
信長様といると、嬉しさと激しさと切なさが常に入り混じって心が忙しい。
「ふっ、この上なく嬉しそうだな」
「だって…それだけ思われてるってことですよね?身の危険より先に嬉しさが来ちゃって…すみません」
「貴様の身に何かあれば俺は正気ではいられん。護衛はつけるが、いつもみたいにフラフラと出歩く事は禁じる」
「はい」
「良い返事だ」
乱れていた着物は真剣な話の間にすっかり暴かれて、目の前の恋人は二回戦に持ち込もうと私に覆い被さり口づけた。
(この人は、なんでいつもこんなに余裕なんだろう……?)
でもこんなにも余裕な人が、私が原因で正気でいられなくなると言う。
「信長様が好きです」
その言葉にすっかり酔わされ、その後も快楽に溺れた私は、信長様の迷惑にならない様不要不急の外出は控え、護衛の方にも付いてもらっていたはずなのに……
………………
「んーーーっ!んんんんっ!」
(誰かー、助けてー)
あっさりと敵に捕まった。(らしい……)