第25章 余裕な彼
「あ………」
(やっちゃったっ!)
信長様含め、武将達全てが驚いた顔で私を見て、その後すぐに意味ありげな笑みを浮かべた。
「こんな席でなーにいやらしい事思い出してんだ?」
すかさず突っ込んできたのは政宗。
「違っ!そんなんじゃっ!」
「呆れた、こんな真剣な席でそんなこと考えてたの?」
これは家康。
「だから違うって…」
「伽耶様、何がいやらしくて、何を思い出されたのですか?こんな時に思い出せる内容というものを私も知りたいです」
「三成君…それは言えないよ…」
(そんな澱みのない瞳で見ないで!)
「三成、あまり小娘を困らせてやるな。口ではとても言えぬ淫らな房事を思い出して悶えておるのだ。そっといておいてやるのが優しさと言うものだ」
(光秀さんっ!それ全然フォローになってませんからっ!)
「光秀様、そうですね。伽耶様、無粋な事を申しました」
三成君は光秀さんのあの言葉で納得?したのか、エンジェルスマイルをキラリと光らせた。
「きっ、気にしてないから大丈夫。あはは…」
笑って誤魔化した後キッ!と光秀さんを睨むと、ニヤリと、してやったりな顔をして見せた。
「ふっ、そんなにも俺との夜が待てぬとは、俺の愛し方がまだ足りんと見える。伽耶、これが終わったら天主へ来い」
「のっ、信長様っ!」
(なんて意地悪で楽しそうな顔……っ!)
「あー伽耶、 逢瀬を邪魔したのは悪かったとは思うが、そろそろ軍議に戻ってもいいか?」
秀吉さんがコホンと咳払いをして軍議の再スタートを促す。
「はっ、はい。すみません」
この時点で、お仕置きと、皆から当分揶揄われるという刑が確定した。