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【イケメン戦国】オレ様とカエル

第24章 エゴサーチ



「ふふっ、俺が商人に見えるなんて面白いことを言うね」

(いや、私もそう思ってますよ!)

心の中でついツッコミを入れてしまう。


「これは俺の趣味で道楽。これらは全て俺の観賞用として買うんだよ。絵巻物なら保管用と宣伝用にも買うんだけど、器は同じものがないからね」


「そ、そうなんですね……」
(この人、ただの大金持ちだっ!……いや、ひょっとしてどこかの貴族……?)

貴族、そうっ!その例えがピッタリと当てはまる。

自分の導き出した答えに妙に納得していると…


「あ、義元さんここにいた」

見知った顔が暖簾をくぐり店の中へと入って来た。


「えっ!」

「あれ、伽耶さん。久しぶり」

すご〜く普通に敵地のお店へと入って来たのは同じ時代からやって来た佐助君。

「佐助君っ、どうしてここにっ!」

「僕は人を探しに…、そして今見つけた所だ。義元さん帰りますよ」

佐助君は、今の今私と話していた美しい男性に向かってそう話しかけた。


「その人…佐助君の知り合いなの?」

「そうなんだ」

「佐助の知り合いなの?」

今度は男性側も同じ質問をした。

「彼女は伽耶さん。俺と同郷の出なんです。伽耶さん彼は…」

「俺は今川義元、滅亡した今川家の元当主だよ」

紹介中の佐助君よりも先に、彼は早々と自己紹介を済ませた。

「初めまして。伽耶です」

自己紹介をしながら、今聞こえた言葉の意味を考える。

(今川義元、滅亡した今川家の当主って……)

「うちの楓がお世話になったそうだね。君にもし会えたらお礼を言おうって思っていたんだ。ありがとう」

「やっぱり…、楓のお身内の方……!」
(そして信長様が桶狭間の戦いで滅ぼした張本人っ!)

「どうしてこんな所に……、バレたら危険なんじゃ…!」
(佐助君もだけど…)

「伽耶さん、この事は信長公には内密にお願いしたい。義元さんのは本当に趣味で、敵情視察の為とかじゃないんだ」

私の疑問に佐助君がすかさず答えた。

「うん……言わないから安心して」

敵情視察ならあんな豪快な買い方する必要はないし、それに戦をする様な人には到底見えない。

「ありがとう」

佐助君はそう言って表情を緩めた様な?気がした。


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