第23章 今川の姫
(やっぱり緊張する…)
お酒の力を借りていても、静かな部屋の中、衣擦れの音と自分の鼓動だけが耳に届いてさらに緊張を煽ってくる。
信長様の着物を一枚、そしてまた一枚と開き、その引き締まった胸に唇を当てた。
「……っ、」
信長様の吐息が漏れた。
(感じて…くれてる……?)
恋仲になって何度も肌を重ねているのに、自分からこんな事をしたのは初めてで…でも、大好きだと言う気持ちを込めて、胸元へ何度もキスをした。
「……っ、伽耶 ……」
信長様の悩ましげな声に顔を上げれば、艶のある顔で私を見下ろしている。
「………っ!」
(なんて色っぽいの!)
その目に捉われていると腕が伸びて来て、わたしの脚を割って信長様の膝の上に座らせた。
「————————っ!」
お尻に当たるのは、すでに凶暴化してる信長様のモノ……
「貴様の礼とやらはどこまで続く?」
色っぽさ全開の信長様が顔を近づけ尋ねる。
「 っ、それは……最後まで……?」
って思ってたけど……最後って…どこまでだ……?
「悪いがもう保ちそうにない」
「えっ……?」
抱きしめられたまま押し倒され立場が逆転した。
「貴様に触れられると、どうやら我慢が効かなくなるらしい」
「んぅ……っ!」
本当に限界だったと言うように、噛みつくような口づけが落ちた。
「ん、……」
「もう貴様の中に入りたい」
欲情に駆られた目が私を射抜き濡れそぼつ秘所に指を埋める。
「あっ!」
体がピクンッと跳ねる。
「ふっ、ほぐさずとも良さそうだな」
ぐずぐずに濡れたそこから指を抜いて信長様は意地悪く笑った。
「……っ、欲しいのは…私も同じですから……」
普段なら絶対にこんな言葉は口にしないけど、今日はカエルは封印。素直に求めるって決めているから……
「貴様からの礼は確かに受け取った。今後も礼をしたければこの方々にせよ」
「っ、百回に一回位なら……」
「ふっ、跳ねっ返りめ……」
愉快だと笑う顔が近づき唇が重なった。
深く甘い口づけに酔わされていると、信長様の熱を体の中に感じた。
結局、私のお礼作戦は途中で頓挫し、昨夜触れ合えなかった分もしっかりと補わされ、私は声が掠れるまで信長様の腕の中で嬌声を上げ続けた。