第23章 今川の姫
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私と信長様が城に戻り暫くすると、身請けの手続きを終えた二人もお城に戻って来た。
興味津々で二人を見る武将たちが黙っているはずがなく、楓さんの歓迎会をしようと政宗が言い出し、急ごしらえの宴が催された。
そして…
「はぁ〜、楽しかったですね」
まだ宴は続いているけれど、私は信長様に手を引かれ天主へと一足先に戻って来た。
「貴様、また飲み過ぎたな」
ふわふわとする私の体を支えて、信長様はじとっと私を見る。
「だって嬉しくて…ふふっ、あの二人お似合いですよね〜。何年経っても一人の人を一途に思い続けるなんて、なかなかできないですよ。本当に素敵……んっ!」
急に言葉が紡げなくなったのは、信長様の口で私の口を塞がれたから…
「ん……」
顎を掬い上げられてされる口づけはすぐに息苦しさを連れてくる。
そんな私の息苦しさを無視して信長様は口づけを深め舌を絡ませる。
「っ………ん、」
お酒にほろ酔いの体は簡単に力が抜けてしまい信長様の腕の中に落ちた。
「ふっ、…ん、…ん、」
口づけられたまま褥の上に押し倒され更に口づけは続く。
昨日触れ合ってなかったからかな?口づけがいつもより長い……
「ん、信長様……」
もう唇が溶けてしまいそうで、信長様の胸を押す。
「何だ、俺の一途な口づけは気に入らんか?」
(あ、一途って言葉に反応してくれたのかな?)
「……っ、気に入り過ぎて口が溶けそうです」
私の発する言葉に反応してくれる信長様がとても可愛いくて愛おしい。
「ふっ、ならばその口、まことに溶けるかどうか試してみるか」
「えっ?….んぅ…………!」
大きな手が私の首筋から顎を持ち上げるから、嫌でも口は開いて信長様の舌を受け入れる。
「ん……んん!」
息苦しさに身を捩っても、逞しい体にガッチリと抑え込まれて動けない。
(本気で溶かす気?それともお仕置きが始まってる?)
「はっ、……ん、待って信長様……」
今夜は、お仕置きを受ける気のない私は再度信長様の胸を押して口づけを止めた。
「信長様はお仕置きだって言ってましたけど、私…今夜はお仕置きは受けません」
「なに?」
信長様は目を細めて不快感を露わにする。