• テキストサイズ

【イケメン戦国】オレ様とカエル

第22章 似合わないもの【恋仲修行 〜三成目線〜】




「伽耶如何した?」


信長様の部屋へ戻り恋文の山を見つめながらモヤモヤしている所へ信長様が戻って来た。


「信長様…」

「菓子はもう腹の中か?どうであった」

恋文を発見されたとも知らず、信長様は笑顔で私のお腹を突いた。


(そう言えばここに来たのって、美味しいお菓子を食べに来たんだった)

「これ何ですか?」

美味しいお菓子を食べ損ねた不満も相まって、私は恋文の山を指差して信長様にストレートに質問した。

少しは狼狽えると思ったのに、私の指先を見た信長様は、

「見ての通り恋文だ。捨てたと思ったがまだあったのか」

表情を全く崩す事なくしれっとそう答えた。


(うーー開き直るつもり?)


「ど、どうしてこんなにたくさん、大事そうに取ってあるんですか?」

全く悪びれない信長様に更にイライラは募る。

「捨て忘れただけだ。それに大したことは書いてない」

「中身、読んだんですかっ!」

「恋文を装って内密に政(まつりごと)の内容を伝えて来る時もある。読まぬと言う選択肢はない」

「そ、そうなんですか?」

ざわざわした心が少し落ち着く。

「そうだ。つまらん事で騒ぐな。それに気になるのなら全て読んで構わん」

面倒臭い女だとその態度が言っていて、落ち着いた心はまたざわざわと騒ぎ出す。

「い、意地悪っ!私が文字をまだあまり読めない事知ってるくせに」

(しかも歌が詠まれてたりしたら意味も全然わかんないのにっ!)

「ふっ、読めもせぬ文に悋気など笑止。話にならん」

ムムムっ!カチンっと来たっ!

鼻で笑って私を壁際に寄せ口づけようとした信長様の額に頭突きを食らわした。

「いっ!貴様っ、何をするっ!」

「頭突きですっ!分かりませんでしたかっ?」

「貴様、それが愛する男にする態度か?」

「愛する男だからって、何でも許されると思わないでくださいっ!」

「何っ!」

「もう知らないっ!」

よくあるドラマのワンシーンのように、部屋を出て行こうとする私の腕を信長様が掴んだ。


「待てっ、どこへ行く?」

「500年後に帰りますっ!」

「ふっ、わーむほーるもないのにか?」

さらに鼻で笑い飛ばす信長様に更にカチンと来たっ!


「っ、バカっ!!」

「なっ、貴様っ!」

信長様の腕を振り払って、私は部屋から逃げ出した。




/ 449ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp