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【イケメン戦国】オレ様とカエル

第21章 深読み注意



「へっ?」

と言ったのは私。


「は?」

と声を出したのは信長様で、


「どうしたんですかっ?」  
「何をしておるっ!」

二人同時に質問を口にした。


「え?…あっ!」 

中腰で手を真っ直ぐ突き上げるヨガのポーズをとったままな事に気づいて、慌ててポーズを解いた。

(変なとこ見られちゃった。恥ずかしい…)


「何をしておる?今のは何だ?」

笑われるかと思ったのに、信長様は険しい顔を崩す事なく私に近づき腰を抱いた。

ムニっと、信長様の指が私のウエストに埋まったような気がして、やんわりとその手を離して距離を取った。

「なぜ離れる?」

「あ、いえ、その…」

ここまで見られて誤魔化せる気がしない私は、正直に話そうと決めた。

「あの、実は…」

「子ができたのか?」

「はぁっ?」

私の言葉を遮り聞こえてきたのは、想像もしなかった言葉だ。

「正直に申せっ、子ができたゆえ悪阻で食が細くなり腹を気にしておったのだろう?」

「ええっ!」
(そっちに解釈したのっ!?)

お寺の良心さんとの仲を疑われた時も驚いたけど、今回も相当見当違いな解釈になってる!

「ち、違いますっ!子はできてませんっ!」

「は?」

「少し前には月のものだって来てたじゃないですかっ!」
(ちゃんと生理が来てホッとしたから覚えてるもんっ!)

「そうだな…いやそうであったな」

「そうですよ」
(俺はそんなものは気にせん、とか言って抱こうとしたじゃん!)

「ふっ、くくっ、くくくっ……」

信長様は顎に手を当て笑い出した。

「……?」

「俺は貴様の事になると、とことん思考が鈍るらしい」

「信長様?」

「俺としたことが、貴様の腹に子がおるやもと聞いて我を失った」

(それは、喜んでくれたってこと?それとも…)

「貴様と俺の子かと思い、ここが震えた」

信長様は私の手を信長様の胸の上に置いてそう言った。

「………っ、」

(心が震える程に、感動してくれたってことだよね?信長様は、子どもが欲しいと思ってるのだろうか…?)

でも、それは怖くて聞けない。だってもし欲しいと言われても、子どもを産んで育てるなんてこと、まだ自信がない。


「ふっ、案ずるな、貴様が望まぬものは俺も望まぬ」

私の心を読み取ったように、信長様はそう言って私を抱きしめた。










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