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【イケメン戦国】オレ様とカエル

第17章 恋仲修行 〜秀吉目線〜



「それにしても、あいつ逃げるの好きですね」

だが問題は伽耶にもある。

先日も確か、輿(こし)に乗って逢瀬に行こうと誘った信長様から逃げたと聞いた。理由は、本当の姫みたいで偉そうで恥ずかしいからと言うなんとも奴らしい謙虚な理由に広間にいた武将達で笑ったものだが…

「信長様の恋仲である事に、中々慣れないようですね」

間もなく天下人になられるであろう信長様の、ただ一人の思い人であり恋仲となった伽耶だが、未来から来たと言う事もあるのか、その文化やしきたりに慣れず戸惑う事も多いらしく、その限界が来ると、今日のように逃げ出してしまう。


「俺の女である自覚が全く足りぬ。まこと、面倒くさいが愛らしい奴だ」

信長様はそんな伽耶が可愛くて仕方がないのだろう。とにかく楽しそうに、逃げた伽耶を追いかける。

恐らく、今も伽耶がどこに逃げたのかは分かっているのだろう。

獲物を狙う鷹のようにギラリと目を光らせ、信長様は少し歩いた先の部屋の襖を開けた。


中庭を挟んで位置するその部屋はちょうど俺から丸見えで、俺はそのまま二人のやりとりに耳を傾け静観する事にした。


襖を開け部屋に入った信長様は戸棚の扉を開けた。

「伽耶、これで俺から逃げたつもりか?」

「っ、どうしてここがっ!」

(伽耶、そんな場所…子どもでも隠れないぞ?)

本気で驚いている伽耶に俺も突っ込みたくなる。


「貴様の事など簡単に分かる。俺が、どれだけ貴様のことを見ていると思ってる?」

「……っ、」

信長様の言葉が嬉しかったのか、伽耶は分かりやすく顔を赤らめおずおずと戸棚から出てきた。


「何故逃げる?」

「だ、だって、鷹は怖いから嫌だって言ってるのに…」

「武士の棟梁たるもの、鷹狩りが出来ぬでは話にならん」

「でも私が知る必要ないじゃなですかっ!」

(伽耶の言う事はもっともだと思うが、信長様の御好意を無碍にするのも良くないぞ!)

二人のやりとりに、ついつい心の中で話しかけてしまう。

「貴様には俺の全てを見せると決めておる」

信長様は伽耶の腰に手を回して抱き寄せた。



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