第16章 夜の誘い方
えっ、急に入って来るとかアリっ!?
ノックくらい…あぁそんなものはないんだった。でも一言声を掛けてくれても…
って、それどころじゃないっ!
慌てて下に落とした寝間着に手を伸ばしたのに、その前にその寝間着を信長様の足で踏まれて阻止された。
「なっ!」
お分かりかと思いますが、今の私の姿を説明すると、真っ裸、すっぽんぽんってやつで…
寝巻きを取る事を阻止された私は、胸と下を手で隠してしゃがみこもうとしたのに…
「っあ…!」
その腕すらも信長様に掴み取られ、持ち上げられた。
生まれたままの姿が信長様の前に晒される…
「良い眺めだ」
「や、やめて下さい…」
「貴様から見せておいてなぜ隠そうとする?」
「っ、違います。着替えようと思って…入る前に声くらいかけて下さい」
「俺の城で、俺がどこに入ろうと許可はいらん」
「…っ」
でたっ、オレ様!
「お願いします。着替えを……っひゃっ!」
私の言う事を聞くつもりはないとばかりに、信長様は私を抱き上げ褥に寝かせた。
(もう…するの……?)
「ふっ、どうした?誘って来たのは貴様であろう?」
私の顔の横に手をついて吐息のかかる近さで信長様は意地悪を囁く。
「誘ってませんっ、本当に着替えようとしてたんですっ!」
「その言葉を信じるとするならば、仕置きをせねばならなくなるが、良いのか?」
「へっ?何でそうなるんですかっ!?」
心臓の音が煩く刻むたびに体の熱も上がっていく。
「襖を開けたのが俺でなくば何とした?」
「そっ、そんなの、勝手に開ける人なんて信長様しかいませんっ、はぁん!」
意地悪を囁くその口は、私の胸をパクッと含んだ。
「例え誰も見ていなくとも、あの様に無防備な姿を晒して着替えるなど言語道断だ」
胸の先が唇にキュっと挟まれ引っ張られた。
「ふぁっ、あっ、やだっ、信長様っ!」
少し手荒な行為に腰は引けてしまうのに、鍛えられた腕が私の腰を捕まえてそれを許さない。