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【イケメン戦国】オレ様とカエル

第12章 戦



「其奴、貴様が俺のものだと知った何者かが放った間者やも知れん」

信長様は難しい顔で考えを口にする。

不思議な事に、”俺のもの”と言う言葉に胸がキュンとしてしまう。前はあんなにも言われると嫌な言葉だったのに、気持ちが変わると聞こえ方まで変わってしまうとは…自分の単純さにまたもや苦笑いしてしまう。


いやいや今はそんな事はおいといて…


「それは…ないと思います。私が佐助君に会ったのはこの時代に来て本当にすぐで、彼は私をワームホールに巻き込んでしまった事に責任を感じてずっと探していたと言ってくれました。嘘はついていないと思います」

いくらなんでも、短期間であれだけの情報は引き出せないでしょ?


「貴様の仲間だと見せかけて連れ去ろうとしているとは考えんのか?城の中にも、敵方の間諜は潜んでおる、来たばかりの貴様の情報を知っていたとしてもおかしくはない」

さも当たり前に言うけど、

「信長様の身近に、お城の中にそんな裏切り者がいるんですかっ?」

敵方のスパイってやつがっ!?

「どうだかな。だがこの世は情報戦だからな。早く情報を手に入れた者が有利なのは間違いない」

「でもそんな、身内にいるかもなんて誰も…」

信じられなくなるんじゃ…って言葉は飲み込んだ。
最初の頃、秀吉さん達から疑われていたことを思い出したから…

なんて時代だ。こうやっていつも人を疑いながら生きて行かなければいけないなんて…

「でも私の知る限り、信長様の周りにそんな人がいるとは思えません。みんな優しくていい人で、私は感謝しかありませんから」

二カ月ちょいの付き合いだけど、最初の頃は疑ったり怖かったりもしたけど、私はみんながいい人で信長様に信頼を置いていると分かる。

「ふっ、貴様の甘っちょろさに慰められるとはな。だが本能寺の時のように、身の内から食い殺されそうになった試しもあるからな…」

信長様の口から本能寺の事が漏れた。
あの事件はまだ未解決で、秀吉さん達が必死に犯人探しをしてると思ってたけど…

「あの事件、信長様は身内の裏切りだと思ってるんですか?」

やっぱり光秀さんだと思ってるってこと!?







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