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【イケメン戦国】オレ様とカエル

第12章 戦



ニヤけて緩んだ私の顔を信長様が見逃すはずはない。
ここが落とし所とばかりに最後の質問をしてきた。

「準備が整い次第出立する。良いな?」

拒否権なんてきっとくれないくせに、ここだけは私に返事をさせるなんてズルい。

「………」

でも、信長様の心に変化があったように、私にも変化があった。

「分かりました。お供します。でも、ちゃんと守って下さいね?」

私もあなたの事が好きになったから、信長様の言う通り、全てを否定するんじゃなくちゃんとこの目で見て確かめて、それでもダメなんだと信長様を説得したい。

「約束は守る。貴様を傷つけたりはしない。安心して着いてくるが良い」

男らしく微笑む顔は、それで良いと言っているように頼もしい笑みを浮かべた。

「じゃあ私も準備があるので、お部屋に戻りますね?」

告白されて照れ臭い気持ちと、これから戦場に連れていかれるんだと言う緊張感の、全く異なる感情が胸の内でぐるぐるする中、私は軽くお辞儀をして立ち上がり、くるり体を反転して出口に向かった。


「伽耶待て」

「はい?」

(何か伝え忘れかな?)

信長様に肩を掴まれ、そんなことを思いながら振り返った。


チュッ、

(……!!)

振り返り様のキスっ!

「なーーっ!」

「ふっ、隙を見せれば今後は遠慮なく奪う。戦場でも気を抜くな」

オレ様は人の唇を勝手に奪った挙句不敵な笑みを浮かべて先に部屋から出て行った。


「っ、前途多難だ…」

これからずっと、いつキスされるのかとドキドキしながら過ごせと言うの?


「無理…殺される前にキュン死にする」

今のキスは本当に反則だ。
触れるだけのキスでこんなにもドキドキするのに、本気の深いキスをされたら一体自分はどうなってしまうのか…

「って、馬鹿じゃないの、私…」

本当に馬鹿だ。未来に戻りたいと思ってるのに、好きな気持ちはどんどん膨らんで歯止めが効かなくなってる。一度知ってしまったものをなかった事にするなんて到底無理で…


「でも、隙を見せたらキスができるくらいの現場なの?」

それならばそれの方がいい。

キスされて、何するんだって怒って、そんな事をやり合ってる方がいい。

私はやっぱり、平和な世の中がいい……




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