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虚飾の宴【R18】

第3章 梅の巻


「はあ?!」

「あの子が庭でぼーっとしているのを見た妓がさ、女物の手巾を手にしてるのに気がついたんだ!


「……見間違いじゃないの!?」

「いいや、直ぐに首根っこ掴まえて裸にしてやったさ。」

「ちょっ!証拠もなく何てことを!!」


「これが何よりの証拠!」

葛葉は花の刺繍が施された絹の手巾をヒラヒラと振ってみせた。

「案の定、あいつの着物の下から出てきたわよ。あたいの大事な桜の手巾。」




バッ‥‥‥

乙は葛葉が目の前にヒラヒラとチラつからせた手巾を引ったくった。











ドサッ…………

数刻前のことだ。

泥棒の疑いをかけられた春鶯は裸にされて、例の粗暴な人夫たちの詰所に放り込まれていた。

「………な、なんだあ?」

突然のことに驚く人夫たちを前にしたのは葛葉とその仲間。


「あの乙にちょっとばかし目をかけられてるからっていい気になってんじゃないよ!この泥棒が!」

朱い布の靴先で突き回される春鶯。

「あんたたち、こいつを好きに嬲(なぶ)っていいよ!」


「………ぼ、僕、泥棒なんてしてません!」

春鶯は消え入る様な声で無実を告げた。


驚いたのは人夫たちだね。

「何でい?娘ッ子かと思ったら男じゃねえか!?」

「そうよ!女みたいな顔してるけど付いてるもんは付いてるわよ。」

女たちは一斉に笑い出す。酷いもんだよ。

「とにかく!悪い事したんだからね!それなりの罰を与えてやって頂戴!」


―――――葛葉たちは春鶯を置いて行っちまったよ………


「どれ?」

舌なめずりをしながら春鶯に近寄る人夫、

あっと言う間に手脚を捕えられ、春鶯の恥ずかしいところが露わにされた、

「うははは、こいつ案外立派なもん持ってやがるぜ!」

「頭(かしら)、どうするおつもりでい?」

「野暮なコト聞くな!こいつは愉しませてもらうよ!」

「!?」

「知らねえのか?おまえ。こういう奴の後ろの口は下手な未通女よりずーーーっと具合がいいらしいぞ。


ほら、お前、早く四つん這いになれ!」


………可哀想に。少女の様に細く白い躰を汚い足先で小突き回されて。


「しっかしお前、本当に下手な娘よりスベスベした佳いカラダしてんなあ!」

爪の間の黒いゴツゴツした男の手が震える春鶯の白い背中を撫で回す。


「や、やめてくださ………」
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