第2章 竹の巻
「い、今のっ………何っ!?」
朦朧とした意識の中、必死に自分を取戻した沙良は王に訊うた。
「これはこれは。何と誉れなことか。
千人に一人と謳われた名妓の初めての絶頂の瞬間にこの俺が立ち会えるとはな!」
「!?」
「ここまでで終わりにしようと思っていたが………‥どうやら俺のカラダが言う事を聞いてくれない様だ。沙良はどうだ?」
沙良は生娘の様に頬を赤らめながら王の昂ったソレに手を伸ばした。
「………今度は沙良が俺を好きにしろ。」
沙良は一瞬躊躇う様な表情(かお)を見せたがすぐに大胆になり、王の上に跨るとその昂りを自らの身に埋めた。
「んっ………はぁっ…」
「そうだ、沙良。好きな様に動け。」
最初の躊躇いはどこへ行ったのやら。沙良はただひたすらに全身で快楽を貪るただの「雌」になったね。
しかし流石、大国を率いるだけの王だね。
並の男ならとっくに果てちまってるだろうよ。
王の上で数えきれないほどの絶頂を得た沙良が逞しく優しい腕の中で目を覚ましたのはもう明け方近かった。
「王……様…………。」
「綺麗だ。沙良……最高に。」
朝靄の中、王を載せた車は城へ向かっていた。
「……正殿の前に着けてくれ。」
王は御者に命じた。
「いえ、この車は後宮に着けます。廓を出る前に妃様からの伝言が届きまして………。」
「何?!」
王の意向は無視されて車は後宮の門をくぐった。
「お帰りなさいませ。」
恭しく出迎えたのは王の第一妃付きの女官だね。
「妃様方がお待ちでございますよ。」