第2章 竹の巻
鳩が豆鉄砲くらった様な顔っていうのは今のこの男の様な表情(かお)をいうんだねえ。
ぽかんと口を開けて動けないでいるよ。
「出来ないの!?シテくれないならさっさと行ってよ!他の人にやってもらうから!」
業を煮やした乙は顎をクイッと持ち上げて男を追いやろうとする。
「……………いや、や、やるよ……」
男はおずおずと乙の入口から僅かに覗いている張型の付け根を掴んでソロソロと途中まで引き抜いた。
「そんなビクビクされたら気持ち悪いわ!
思いっ切りシテ!」
「わ、わかった!」
男はゴクリと生唾を呑むと意を決して勢い良くまた張型をねじ込んだ。
ピシャアアア………
乙の露が吹き出してきて男の白い手を濡らした。
「んっ……ああッ!」
なんとも堪らない声を上げるね、乙は。
「………やるじゃないっ、もっと突いてよ。」
「あ、ああ……」
乙に従って何度も張型を抜き挿しする男。
「……もっと、もっと速くぅっ!」
男の目の色が変わったね。
いかにも育ちの良さそうな綺麗な手が止めどなく噴き出る露で汚れていくのも構わず、我を忘れて目の前の女に夢中になっているよ。
おやおや、服の上からでも分かるほど男の股間はタイヘンなコトになってしまっているねえ。
「…………ねーえぇ?」
息も絶え絶えに桃色に顔を染めた乙が云う。
「今度はあんたのアソコ、挿れてみたくなっちゃった!」
「…………!」
ここまで来て抗える男がいたら大したもんさ。
「早くっ!」
艶っぽい瞳に促されて男は下衣の紐をいそいそと解く。
待ち切れないと言わんばかりに屹立した男のモノが夜風にその身を晒した。
「……………ンぅっ………」
言葉にならない声を上げて、男は既に張型を引き抜いていた乙のナカへ自らの熱いモノを埋めていった。