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虚飾の宴【R18】

第2章 竹の巻


「ああ、可笑しい!

でも鈴音姐さん、そろそろ「ぼん」が来る時間じゃないのかい?」

「そうだね、葛葉。

乙、あたいは忙しいんだよ。あたいにゾッコンの客、金持ちの「ぼん」が今夜も来るからね。

あんたと遊んでやってるヒマなんてないんだよ!


さ、葛葉たちも支度手伝え!行くよ!」


鈴音は小枝を乙の顔に向けて投げつけると、手下たちを引き連れて部屋へ上って行った。

尖った枝の先で乙の頬に赤い血が滲んだ。


これだけの屈辱を受けてもやはり乙の瞳の力は揺るがないね。



いつの間にか日は落ちていて、縛られ開脚したままの乙の白い肌が暗闇に浮かび上がっている。


ぼちぼちお客がやってくる時間だよ。




一人で廊下を渡って来た若い男。
身成からしてどこかの富豪の息子だね。

彼が鈴音の元に通って来ている「ぼん」か?



廊下の角を曲がった「ぼん」は足を止め、怪訝そうに庭を覗き込む。

月は明るく微塵の風もない宵なのに――――
私―――松の枝がゆさゆさと揺れているのに気がついたね。

若者らしい好奇心で庭に下りて見ると――――!




「………っ!な、なんだっ!!」

驚くのも無理はないね。
一糸纏わぬ娼妓が大開脚して木に縛り付けられているんだから。

乙は唯一自由になっている首から上を動かして私を揺さぶっていたんだ。


「何の悪さしたんだ?

でも酷すぎるなあ、顔にも傷がついてるじゃないか!」

柔らかな頬に伸ばされた男の手を乙は妖艶な笑みでペロリと舐めた。

「………っ!!」

まだ遊び慣れてないと見たね。これだけで男の顔は真っ赤になっちまった。


「ねえ、お客さん………お願いがあるの。」

「お、おう、いいさ。縄を解けってことだな。」


カラダに回された縄に手をかけた男に、乙は首を振ってみせた。

「違うの!お客さん!」

「へ?!」


「コレ!」

乙は顎で自分の脚の間を指した。


「!?…………」

初心な男は思わず息を呑んだ。


凄いモノが目の前の女の股間に突き立てられているんだから!


そしてその女の綺麗な唇から紡がれた次の言葉にまた度肝を抜かれたようだね。



「突っ込まれたままじゃつまんないの!
お客さん、動かして頂戴!」


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