【金カ夢】夢の中で……。【Golden Kamuy】
第10章 キロランケニシパ
「有り金と馬をいただく」
「そっちの兵隊さん、肩の銃を捨てな」
「兵隊さんの後ろに乗ってる兄ちゃんは、顔がいいから金になるだろう。そこの兄ちゃんも置いていきな。おとなしく言うことを聞いたほうが身のためだぜ」
杉元に向かって銃を捨てろといい放てば、その後ろに座るユメコに目をつけ、ユメコの事も置いていけと言い出した。
キ「おとなしくは出来ねえな」
「あ?」
山賊の言葉に歯向かうように言い放ったキロランケがらポイッと男たちの足元へ何かを投げた。
「手投げ弾!?」
「ギャーッ!」
山賊2人組は、足元にころがってきたブツをみると、すぐさまそれが手榴弾だということに気がついたが、間髪入れずに手榴弾は爆発した。
「こんちきしょう……」
手榴弾の爆発で転び、その衝動で手放してしまった武器を構えなおそうとする山賊。山賊の1人は手元にあった猟銃を握るも、すぐさまキロランケが男に近づき、その手を思いきり踏みつける。
「があああ」
「ぶっ殺す!」
手を踏みつけられ、痛みに唸る山賊。仲間を助けようと、もう一人の山賊がキロランケに向かって突っ込んでいくが、杉元が走ってくる山賊の男の膝を狙い足蹴を食らわせた。
「アギャーッ」
杉元が刃物を持つ山賊の膝を蹴った際に、【ベギン】とすごい音がなる。
杉元は痛みに悶える山賊に近寄ると、刃物を構える右手の親指を握りながら
杉「ユメコさんに手を出そうとしやがって…。それにな、白石のチンポより小さい刃物じゃ「日露戦争帰り」は殺せねえぜ」
と声に出し、そのまま山賊の親指を折ったようだ。
この時も【パキッ】とあまり聞きなれないような音がしていたし、相手をしていた山賊が「ギエッ」と、あまりの痛さに唸り声をあげる。
その後すぐに杉元は山賊の頭を何度も平手で叩きつけ、キロランケはキロランケで猟銃を持とうとしていた男を何度も足蹴にしていた。
『…出番なかった。』
白「もう、やめな〜〜〜?」
出てきて早々、何をする間もなく一方的にやられた山賊があまりにも可哀想だと、白石が止めに入り、落ち着かせたところで山賊二人をそれぞれ別々の木に縛り付けた。