【金カ夢】夢の中で……。【Golden Kamuy】
第10章 キロランケニシパ
杉「ユメコさんは馬に乗れる?」
『いや、乗馬の経験は1度もない』
白「ならさ、ユメコちゃんとは俺か杉元が一緒で良くない?」
キ「それなら、俺とアシㇼパが一緒に乗るか?」
杉「アシㇼパさんはキロランケと。ユメコさんは俺か白石と乗ろうか」
『私は、どっちでもいいよ?』
ア「そうだな…。小柄な白石よりも、体幹の良さそうな杉元と乗った方が乗馬経験のないユメコも安定して座れるし、馬への負担も少ないだろう。」
ということで、キロランケと知り合いだったアシㇼパが組み、ユメコと杉元が一緒の馬に乗ることになった。
杉「よし、行こうか網走へ……!!ユメコさん、しっかり掴まっててね」
キロランケは慣れた手つきで馬に跨り、その前にアシリパを乗せている。
ユメコもアシㇼパと同じように杉元の前に座るか、後ろに座るかで悩んだが、後ろの方が杉元に捕まっていることが出来ると思い、杉元の後ろに座った。
杉「ユメコさん、腰に手を回してもらった方が安全かも…」
『ん、こう??』
杉元に言われたとおり、彼の背後から手を回し、お腹の前でしっかりと自らの手を握り、密着していく。
それにドキマギしているのが言った張本人である杉元だ。
いくら乗馬で相乗りしているからと言って、ここまで女性と密着していいものなのかと、彼の心臓はバクバクしていた。
杉「(はわわ、近い…)」
白「俺の馬だけ小さいんだけど」
キ「悪いなシライシ。道産子の小さいのしかいなかった」
馬が足りなかったため、1人乗りの白石は普通の馬よりも小さな道産子に乗る事となった。
「ひとまずアシリパさんの村へ寄って行くぞ。長い旅になるぞ」
『あ、それなら私も女将さんたちに会いたい!』
長旅になるから、きちんと挨拶をしておかないとね、とばかりに杉元がアシㇼパのコタンへ寄ると言えば、ユメコもお世話になった女将さんたちに会いたいと話した。
そんな話をしながら馬の歩みを進めていると、かなり小さな果物ナイフのような刃物と、猟銃を持った男二人が立ちはだかる。
山賊だ。