【金カ夢】夢の中で……。【Golden Kamuy】
第11章 家永と牛山との出会い
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白「やっと着いた……」
杉「時間かかったな……」
当初、キロランケの予定ではあっという間に着くはずだった札幌。白石が遭難したという何ともいえぬ不運から、かなりの時間をかけてたどり着いた五人は、キロランケの知り合いだという銃砲店へ向かった。
店内にはそこかしこに沢山の銃をはじめとする火薬を使うような武器が並べてあり、キロランケ、アシㇼパ、ユメコはポーズを取りながらその銃たちを物色しているところだった。
『うわぁ、銃ってかっこいい!!案外重いんだね。これなら引き金を引いた衝撃で肩が脱臼するとか言うのも頷けるわ…』
「いつもはどこの宿も空いてるんだけどねえ。今回は中島遊園地でちょっとした北海道物産の品評会だか博覧会だかがあるとかで……」
店の銃を構えるアシリパとユメコに杉元は、そんなの触っちゃダメだよッと騒ぐ
「あっ、そうだ! 近所に女将が一人で経営してる洋風なホテルがあるんだよ。昔は老夫婦がやってたんだけどは、いつのまにか別の女性にかわっててね。これがなんとも色っぽくて……みんな噂してるよ」
白「なんていうホテルだ!? 教えてくれッ!」
店主オススメのホテルの女将の話に、白石がニヤニヤと下品な笑顔をうかべ、素早く反応する
ユメコと杉元は呆れながらも、この疲れを癒すために泊まれるならいいか、と肩を竦めた。
「「札幌世界ホテル」ってところだよ」
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杉「すみませーん! だれかいますか?」
ホテルに着くと、スタッフの姿などが見えず、杉元が、大きな声でホテル内へと声をかける。
杉元の声が聞こえたのか、上の階から階段を降り、若く、綺麗な女性が降りてきた。髪をまとめあげ、唇の下にはホクロがあり色っぽい。
家「いらっしゃいませ、女将の家永です」
覈「シライシヨシタケです。独身で彼女はいません。付き合ったら一途で情熱的です」
白石は家永と名乗る女将を見るなり、キリッとした表情を作り、家永に握手を求める。
家永はそんな白石の差し出した手を握り返し、握手に応じた。
後ろではそんな白石を杉元やユメコたちが呆れたように見ていた。
ホテルに泊まる手続きをすると、その後は家永が杉元たち一行をそれぞれの止まる部屋へと案内する。