【金カ夢】夢の中で……。【Golden Kamuy】
第10章 キロランケニシパ
アイヌの男性は初対面の挨拶をする時には必ず煙草を喫煙し合う。
キロランケは白石に煙草を渡し、白石が煙草を吸い始める所を確認するとアシリパに声をかける。
キ「皮をつけたまま焼けば肉の旨味も逃げない。塩焼きが簡単だし、おすすめだ。鮭は大きければ大きいほど美味い。イトウは鮭の仲間だからこのイトウの主も美味いはずだ」
キロランケが美味しい食べ方を教えてくれる中、勧められた煙草を喫煙してみた白石は、普段から煙草を喫煙しないので、ケホンケホンと噎せていた。
美味しい食べ方を聞いた3人は、イトウを解体し、刺し身と大きな切り身にした。刺身は綺麗に盛り付け、大きな切り身は木の枝を刺し、豪快に丸焼きにしていくのだ。
杉「まずは刺し身だな、シャチの時に使った醤油が余ってるだろ」
白『「いただきまぁす」』
杉「うんうん。たしかに脂が多くて「川のトロ」だ」
白「鮭より臭みが少なくて上品な味だね」
ア「ヒンナ」
『刺身うまぁ!』
刺身を食べ終わると、次は塩焼きだ。
杉「でっけー切り身だな」
杉元が焼いている切り身を見ると、5人でかぶりついても食べられるほどかなり大きなサイズだ。
白「豪快な塩焼きだぜ。食べてみようぜ。あむあむあむ」
杉「はふはふはふ」
杉元、アシㇼパ、白石の順で並んで3人でイトウの大きな切り身にかぶりついている。
杉「ユメコさんも、早く一緒に食べよう」
『えー、みんな口の周りベタベタじゃん』
ア「ほらユメコも、みんなとヒンナしよう!」
アシㇼパと杉元が一緒に食べようと二人の間のスペースを空けてくれたので、二人の間に座ると、みんなと同じようにイトウの大きな切り身にかぶりついた。
『あちっ…また火傷したぁ…』
先程の刺身が美味しかったので、こっちも味が期待できそうだと大きな切り身の焼き魚にかぶりついたもののユメコは猫舌なので舌を火傷してしまった。
白「めちゃくちゃ分厚い皮だけど焼くと柔らかくなるな」
『はふはふ…んん〜ヒンナ♪』
杉「香ばしくてとってもヒンナ。幻の巨大魚ヒンナだぜ」
キ「あむあむ」
キロランケは杉元の反対隣に座り、あむあむとイトウの豪快な塩焼きにかぶりついていた。