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【金カ夢】夢の中で……。【Golden Kamuy】

第10章 キロランケニシパ




ア「イワンオンネチェプカムイだッ!!」

杉「白石が食われた〜〜〜ッ」

『フラグ回収ぅう!!?白石ぃぃいッッ』



思わぬ出来事にアシㇼパ、杉元、ユメコが叫び固まっていると、キロランケが刀を手に川へ飛び込んだ。


杉「シライシィ!!…白石ぃぃ……」


巨大な魚が川から飛び出した。
魚の背にはキロランケが跨っている。
キロランケが魚にナイフを刺したままイトウを仕留めたようだ。飛び出た魚が川岸に上がると同時に魚から離れ、着地するために受身を取るキロランケ。


『か、かっこいい…』


まだ会って間もないのに見ず知らずの白石を助けるために躊躇することなく、すぐさま川に飛び込んだキロランケ。馬に乗るかのように魚に跨り、着地する姿も様になっているのだ。思わず見惚れてしまったのも無理はない。


杉「シライシはどうなった?」



慌ててキロランケと魚が上がった川岸に3人が駆け寄ると、巨大魚の口から白石の上半身のみが出ていて、下半身は魚に丸呑みにされていたのだ。白石は瀕死のようでハァハァと息をしているがその姿はまるで─


「人魚だ」


白石を見ると思わず人魚と言わずにはいられなかった。




キロランケと白石は濡れた服を全て脱ぎ、アシㇼパが起こした火で身体を暖め、服も乾かしている。ユメコは濡れた2人が風邪をひかないようにと、布を手渡し、杉元、アシㇼパと共にキロランケが仕留めたイトウをマジマジと観察しているところだ。



ア「大きな皮がとれるぞ、これ一匹で服が一着作れる」


杉「『え? 魚の皮で服を作るの?』」


アシㇼパのセリフに、思わず杉元とユメコのセリフが被る。


ア「チェプウル(魚皮衣)魚の皮で作った服は雨や風も通さない。イトウの他にもサケやマスの皮でも作れるが、一着の服に少なくとも50匹以上の皮が必要だ。靴や小刀の鞘にも魚の皮を使う。他にも松脂のかわりにイトウの皮を煮込んで作ったニカワで矢尻に毒を固定すると毒が傷のまわりに集まりやすくなる」

杉「いろんな使い道があるんだねえ、イトウの皮は」


ア「でもな、実はイトウは皮が美味いんだ。皮を残して色んな物に利用するか、それとも食べちゃうか……うーん、ほんとに悩むところだなあ」

『イトウってば、無駄がないんだね』

杉「食べちゃえばぁ〜〜?」



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