【金カ夢】夢の中で……。【Golden Kamuy】
第9章 囚人 辺見和雄
杉「…ユメコさん、離れてぇ…」
ユメコが倒れたと同時に、杉元も足をおっぴろげて倒れ込んでいたのだ。
そんな杉元の足の間でユメコは彼の太ももや下腹部を枕にするような形で倒れ込んでおり、顔の真横には杉元の息子。
ユメコが、驚きに声を出したり息をすると、ユメコの頬に当たった状態のソレに刺激がいく。
不可抗力ながらも、杉元の意志とは関係なしに杉元ジュニアはユメコから与えられる刺激にピクピクッと反応してしまう。
思わず顔を赤らめるユメコと杉元。
恥ずかしそうに消え入りそうな声で「離れてぇ」と杉元から言われれば、謝りながら急いで白石の肩に乗った自らの足を外し、どうにか身体を起こして杉元から離れる。
──そんなラッキースケベ状態なのをアシㇼパと白石は見ていないし、気がついてさえもいなかった。
杉「このまま第七師団をまいてやろう」
寒さに鼻水を垂らしながら、杉元は第七師団に追いつかれないよう、このままシャチに引っ張ってもらおうと提案する。
いそいそと杉元は舟の上で服を着ていく。
辺見の救助は間に合わなかった。
彼は服を着込んだ杉元の胸の上に倒れ込んだまま動かない。
杉「お前の煌めき…忘れないぜ」
そう語る杉元のことを、アシㇼパと白石がジト目で見ていた。
──
───
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ユメコはグングン進む舟の速度に再び気分を悪くしていた。
シャチに引っ張られる速度が最初に比べ段々とおさまってきたようだ。
白「この白く染まった海水…全部ニシンの精子だぜ」
ア「精子?」
『ばッ!?くぁw背drftgyふじこlp;@:!』
何だか海水が一面、白くなってきたと思っていると白石がそう話す。ニシンのメスが卵を産み付け、オスが精子をかけるらしいのだ。
「精子」という単語に先程までシャチに引っ張られるがままの速度で走る舟の上、気分が悪くそれどころではなかったのだが、ユメコはさっきの杉元とのことを思い出してしまい、声にならない声を出して顔を真っ赤にしてしまった。