【金カ夢】夢の中で……。【Golden Kamuy】
第9章 囚人 辺見和雄
辺「おおおおおお!はああああッ!入ってくるゥッ……杉元さん、僕のこと忘れないでいてくれますか?」
杉「引っ剥がしたお前の入れ墨を広げるたびに思い出すよ」
辺「生きててよかった」
──所々2人の会話がなぜかエロく感じるのは気のせいだろうか…?
思わず『(BのLな世界かしら?)』と2人がもつれ合いながら死闘を繰り広げている最中ではあるが、先程からさり気なく会話が相思相愛なエロトークとしても聞き取れそうなのである。
ボーイズラブにもガールズラブにも耐性があるユメコは、腐女子の皆様が喜びそうだな、と思ったし、よくもまぁ、これだけの激しい攻防戦の中会話をする余裕があるものだと思った。
2人が凄まじい死闘を繰り広げている最中、どこからともなく波に紛れるようにして海岸にシャチが現れた。
シャチは杉元との戦闘で仰向けになっていた辺見の負傷した左腕を噛むと勢いよく海水へと引きずり込んでいく。
それに素早く反応したユメコが、シャチのカラダに向かってナイフを数本投げるも、波に邪魔をされて、刺さったかどうかも分からない。
杉「…………えーーーーッ!?」
白「なんだこりゃ!!」
ア「レプンカムイだ!!」
杉元、白石、アシㇼパ、そして叔父さんを含めた一同はあまりの衝撃的な光景に唖然とし、開いた口が塞がらない。
──が、すぐさま杉元が反応した。
杉「3人とも船に乗れ!入れ墨がシャチに喰われちまう」
その掛け声に、すぐさまユメコ、アシㇼパ、白石も叔父さんが乗ってきたであろう舟に飛び乗った。
杉「辺見和雄を取り返すぞッ」
白「どうやって!?」
アシㇼパがシャチを見失わないように船首で海を見ており、大人3人が頑張ってオールを漕いでいく。ユメコは船に乗ったあとに、
『(あれ?私は第七師団に追われてないし、何なら三人が辺見を追っても、帰ってきてから合流すればよかったんじゃ?)』
と思ったが、辺見が心配だから、とにかく船を漕ぐしかないな!と船を漕ぐ力に全力を注ぐ。
『(嗚呼どうか、クジラの時のように船酔いしませんように………)』