• テキストサイズ

【金カ夢】夢の中で……。【Golden Kamuy】

第8章 ニシン漁へ




「ヤーレンソーランソーランソーラン……」


✎︎____________

不眠不休で働く「ヤン衆」たちが眠気で春のまだ冷たい海に転落などしないよう、大声で歌ったのがソーラン節の由来だといわれている

✎︎____________



クジラに引かれるがまま進む船。
クジラに身を任せたまま進む先には漁船があり、その前方の船からは、今でも聞きなれたソーラン節が聞こえてくる。


白「あぁやばいッ、クジラがあの漁船たちに向かってる」

「オーイ、突っ込むぞ気をつけろ!!!」



あちらの舟からの歌声が聞こえるのだ、こちらのからの声も聞こえるだろうと白石が大声で注意を促す。


「……」

「なんか叫んでるぞ、あの坊主」


しかし、漁船に乗るものたちは白石の注意が聞こえず、船底から現れたクジラのカラダが舟に当たり、揺れた。


「クジラ!?」


グラグラと揺れる舟からクジラに驚いた漁師の1人が、バシャンと大きな音を立てて春の冷たい海に落ちてしまった。


叔父「漁師が落ちた!」


どうにかこうにか船から落ちた漁師を助けようと、同じ船に乗っている仲間の人達がオールを差し出し「早くつかまれ」と声をかけているが、落ちた漁師は一向にオールにつかまれず船上がる気配がない。


杉「助けよう!!あっちの船はデカイから岸まで戻るのに時間がかかる。早く火に当てて暖めないと低体温症で死ぬぞ」


こちらの打ったモリのせいで、クジラがあの漁船を襲ったのだ。だから助けるべきだと杉元が叔父さんを説得する。


叔父「わかった、綱を切る」


クジラと舟とを繋いでいたモリの綱を切ると、別の船に乗っていた白石に声をかける。


「白石!!頼んだぞ、クジラの分け前をしっかりもらって来い」

白「えええええ」


白石たちの乗る舟はそのままクジラに引かれるがまま前進して行った。その船を見送ると、すぐさま落ちた漁師の元へと船を寄せた。

その間ユメコは気分が悪かったので漁師を引き上げることが出来ず、舟から顔を出し、気分を落ち着かせようとしていたところで、アシㇼパに優しく背中を撫でられている最中だった。
/ 86ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp