• テキストサイズ

【金カ夢】夢の中で……。【Golden Kamuy】

第8章 ニシン漁へ


それでもリュウは以前の飼い主さんへの行動と同じようにアシㇼパ達の狩を手伝ってくれているようで、〝忠犬ハチ公〟とは違うけど、飼い主を忘れられずにいるリュウは、忠犬だね。としみじみと思いながらリュウを見て、身体を撫でる。

リュウは大人しい犬で、最初のうちはリードないし、放し飼い状態なので噛まれるかもしれないとビクビクしていたが、リュウは吠えたりせず大人しくしており、身体を撫でさせてくれた。

子供たちとも、木の枝やらお手玉擬きを投げ「とってこーい」すると、リュウは遊んでくれるのだ。

リュウ…なんて優しく、できたわんちゃんなのだろうか。
リュウに対しては、怖い、と言うよりもコタンにいる子供たちのお兄ちゃん的な存在にも思えてきた。






──
───
────





ある日、街にちょくちょく降りていく白石が囚人の情報を掴んだ。

「ヤン衆」と呼ばれる東北地方などから季節労働者がニシン漁のために雇われるらしいのだが、あちこちの漁場でヤン衆が殺されているというのだ。
その話をしたあと、白石は「犯人は辺見という男に間違いない」と言い切る。

どうも、「辺見」という名の囚人は殺した遺体の背中に「目」という文字を刻むのだという。
杉元とアシㇼパも狩の最中に「目」という文字が刻まれた遺体を見たことがあるらしく、険しい顔をしていた。



『あれ、でもアシㇼパの叔父さんたちって確か…』

ア「叔父がその囚人に狙われないか心配だ。ユメコの言う通り、叔父たちは今、海岸に行っている。ニシンを追って海岸へきた鯨を捕まえるためだ」

杉「クジラ?」

ア「よしっ、ユメコ、杉元、海へ行こう!!クジラを食べに!!」


ニシンや、海岸と聞くと、コタンからも何人か海岸へ漁をしに行ったのを思い出す。

アシㇼパは叔父の心配といいつつ、クジラを食べることで頭がいっぱいのように見える。
ユメコもクジラ肉を数回だけ食べたことがあるが、クジラ肉なんて未来ではほぼ見かけないような高級な代物だったと思いながら、まだ見ぬ採れたてのクジラ肉に思いを馳せて杉元、アシㇼパ、白石と4人で海岸に向かうことになった。




/ 86ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp