【金カ夢】夢の中で……。【Golden Kamuy】
第6章 金塊について
白「でもよ、ばあちゃんの言い伝えが本当なら、俺たちが聞かされていた20貫(75キロ)より…もっとたくさん金塊があるんじゃねぇのか?」
谷「桁が違う。そのばあさんが言うように埋蔵金の話はあちこちのアイヌの間でひそかに伝わっている。俺たちを率いている中尉は情報将校で情報収集や分析能力に長けている。鶴見中尉の推測では…囚人が聞かされていた量の千倍はある…」
───2万貫(75トン)
1メートル四方の箱に入れたとして4個分の砂金。
現代に置き換えると8千億円の価値がある──
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谷垣は起き上がれなため、横になった状態のまま、白石たち囚人がのっぺらぼうと呼ばれる男から聞いていた金塊の量が違うという話をした。
それを聞き、杉元が刺青人皮を取り出すと白石、谷垣と話をし始める。
刺青人皮が急に出てきたことに驚いていると、アシㇼパが「クマに殺されてしまったんだ」と教えてくれた。
どうやら暗号についての話や、北海道のどの辺にアシㇼパの父親の遺体があったのか、のっぺらぼうはどこで捕まったのかを北海道の地図を描きながら調べているようだ。
そんな二人を見ながら谷垣が、何故第七師団が金塊を探しているのかを話し出す。
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谷垣曰く、簡潔に話すと第七師団は強いことで有名な師団だったようだ。
勝利を収めた時には、1万人程いた将兵は203高地を陥落させたところで、半分以下になっていた。
この作戦の参謀長官である花沢さんは、多数の将兵を戦死させたとまで比喩され、帰国後、自責の念から割腹し、亡くなった。
政府部内では花沢中将が自刃したのは部下たちの落ち度とし、勲章や報酬金はおろか、陸軍の中での第七師団は格下げ扱いされ冷遇された。
そこで鶴見中尉が
─軍事政権をつくり、私が上に立って導く者となる。お前たちは無能な上層部ではなく、私の親衛隊になってもらう。金塊をただ分け合うのでは駄目だ。資金にして武器工場を作る──
等と話したそうだ。
─父親を亡くした子供たち、息子をなくした親たち、夫を亡くした妻たちに…長期的に安定した仕事を与える。凍てつく大地を開墾し日々の食糧の確保さえままならない生活から…救い出す。それが死んでいった戦友たちへのせめてもの餞である──