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【金カ夢】夢の中で……。【Golden Kamuy】

第6章 金塊について





何故それを信じられるのかとユメコが尋ねると、酔っぱらいのオジサンがその入れ墨を入れた死刑囚だったこと。

そして、アシㇼパの父親が殺されたアイヌの中の1人であること。
今この場にいる白石も、その入れ墨を死刑囚の1人であるというのだ。

白石をチラリと見やれば、恥ずかしそうに顔を赤らめながら服を若干着崩して胸元を見せてきた。
ユメコは異性にあまり免疫がないので、まじまじと見ることは出来なかったが、チラッと見える白石の胸元には、確かに以前アシㇼパが見せてきた入れ墨の模様に似たようなものが彫られている。


しかも驚くことに、その入れ墨は殺して皮を剥ぐことが前提として彫られているというのだ。
これにはもう驚きを通り越してユメコはどう反応すれば良いのかすら分からなくなった。


アシㇼパが街に来たちょっと前に杉元と出会い、杉元から聞かされて入れ墨の死刑囚達のことを知ったようだ。
あの日は他の入れ墨の囚人を探すために街に行き、聞き込みを行ったのだと言う。
そして、無駄な殺傷を避けるため、死刑囚たちを見つけると殺しはせず、模写などで入れ墨を集めようとしているらしい。


囚人たちからの話を聞き、段々と分かってきたのが囚人たちに入れ墨を入れた男が〝のっぺらぼう〟と呼ばれていること。
どうやら、顔がないらしい。


他にも同じように金塊を狙っているもの達がいる、ということだ。
鶴見中尉が束ねる第七師団もそのひとつのようだ。
彼らは死刑囚たちを殺し、入れ墨の入った人の皮を剥ぎそれを刺青人皮と呼び、集めているというのだ。


杉元と別れたあの日も、杉元はアシㇼパを金塊騒動に巻き込みたくなくて1人で行動していたところでユメコと出会った。
その後はユメコも知っている通り、第七師団に襲われ、杉元は捕らえられてしまう。


鶴見中尉に第七師団の仲間になるようにと誘われたが杉元が断ったところで拷問をされ、
監禁まがいのように捕らえられていた所をアシㇼパと白石が火事を起こし、騒ぎに便乗して杉元を第七師団から助け出したらしい。



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