【金カ夢】夢の中で……。【Golden Kamuy】
第5章 白石、谷垣との出会い
ユメコは、坊主頭の男性を見たことは無いが、この怪我をしている男性の顔には見覚えがあった。
確か──雪山で鶴見中尉と一緒にオガタジョートーヘーという人を探しに来てた団体の中にいた気がする。
担架にのる男性の名前は分からないな、と考え事をしているとアシㇼパはフチに手土産を渡していて、その後ろで坊主頭の男がフチにウインクをしている所を見てしまった。
ウインクを受けたフチがキュンとした顔をしているので、この坊主頭はチャラい男で、女性の扱いに慣れているのかもしれないと、若干警戒しつつユメコはみんなの最後尾についていき、最後にチセに入る。
怪我をした男を治療するために、皆でチセに入ると、アシㇼパが叔父さんに薬の説明を受けていた。
ユメコがチセに入るとすぐに坊主頭の男がユメコに話しかけてきた。
白「俺はシライシ ヨシタケ!お名前教えてェ?」
『はじめまして、私は…』
白「それにしても兄ちゃん、いい顔してるねぇ。俺、兄ちゃんみたいなタイプなら抱けそう☆」
『…………』
スっと挨拶をしながらシライシヨシタケと名乗る男が手を差し出してきた。
握手をしようと彼の手を握り返しながら名乗る手前で、初対面の坊主頭の男に顔がいいから男でも抱けると言われてしまい、ユメコは無言のまま、顔をアシㇼパと杉元に向け目線で訴える。
アシㇼパと杉元は頷くと急いで立ち上がりユメコに加勢した。
ア「おい止めろ白石!ユメコは私の家族だ!手を出してみろ、ストゥでぶん殴るからなッ!!」
杉「そうだ、アシㇼパさんの言う通りだ!白石お前、ユメコさんに手ぇ出すってんなら俺も相手になってやるよ」
白「いだだだだだ!!」