【金カ夢】夢の中で……。【Golden Kamuy】
第5章 白石、谷垣との出会い
話の最中でもコタンに住む住人たちへと、買ってきたお土産や、取ってきたシタッ【白樺の樹皮】などを渡すのは忘れない。
アシㇼパの叔父がフチにコトの経緯を伝えてくれ、私をフチとアシㇼパのチセ(家)に泊めて貰えることになった。
フチの為に少しでも何か自分で出来ることがないかと思い、教えて貰いながらイテセニ(ゴザ編み機)を使った仕事をする。
初体験だし、手先はどちらかと言えば不器用な方なので、あまり戦力に慣れていない気がしないことも無い……。
フチはそれを微笑ましい顔で見てるけど…………。
手があけば、気分転換にアイヌの子供達が遊ぶ姿を見たり、誘われれば参戦したりした。
【キサラリ(長耳お化け)】という道具を使った、この世のものとは思えない声を出す、という遊びや、
【ウコ·カリプ·チュイ(投げ輪突き)】という、つる輪を高く投げ上げ数人で競って棒で受ける遊び。
アイヌの子供たちはこういった遊びの中で狩りや、魚を捕るための練習をしているらしい。
余談だが、ムックリという、ビヨンビヨヨンビヨンと音を鳴らす楽器(?)は、不思議な音だから聞いてても楽しい。
オソマは毎回これを熱演していて、唇が真っ赤になっている。
そして!
ユメコはキサラリも見る側で参加する。
初めてアイヌの子達がこれをやっているのを見た時には、吃驚したし、怖いんだか面白いんだかよく分からない感情が湧き上がった。
あのように、おどろおどろしい声は出そうと思っても急に出せるようなものでは無いと思う。
ユメコがやる側として参加しないのは、断じて人から見られるのが恥ずかしいからとか、そういうのでは無い…と思いたい。