【金カ夢】夢の中で……。【Golden Kamuy】
第5章 白石、谷垣との出会い
あれから、ユメコは女将夫婦の営む食堂である程度働くと、荷物をまとめてアシㇼパに会いに行くための準備をしていた。
杉元の安否が分からないことを伝えるために。
心優しい女将夫婦や、仲良くなった給仕の娘達からは、旅に出るならとあれやこれやと様々なものを持たせてもらった。
中でもユメコ が嬉しいと感じたのはやはり、調味料だ。
貴重な砂糖を含む調味料を惜しげも無く渡されたので、さすがにただで貰うのも気が引けると、お金を渡そうとしたのだが、やんわりと断られてしまった。
しかし、これらの調味料があれば、いつでもどこでも調理ができる。
調味料の【さしすせそ】は本当に神がかっていると思う。
あとは自分用の料理包丁や、投擲用の小ぶりなナイフなど普段使いできるものや、いざと言う時の護身用のための武器なども忘れない。
レッグホルスター(太ももにナイフを固定するベルト)のようなものも自分で作って、ズボンの上から太ももに固定した。これでナイフを何時でも投げたりできるようになった。
色々と手渡された荷物を背嚢(カバンのようなもの)に入れ、女将夫婦、給仕の娘達に、『今生の別れじゃないんだし、また頻繁に遊びに来るからね!』と、にこやかに手を振りながらユメコは街を出たのだった。
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アイヌコタンにつくと、アシㇼパはいなかった。
アシㇼパは1人でも狩りに事があるし、また狩りに出かけてるのかもしれないと思っていたのだが、オソマちゃんとオソマの父であるマカナックルさん(アシㇼパの叔父)が言うには、
アシㇼパはシサム(アイヌ以外の日本人。和人のこと)を連れて何度かここを出入りしていたと聞き、それが杉元のことだとすぐに理解出来た。
杉元の安否が分からないまま、アシㇼパは狩りに出かけてるのかもしれない。
しかし、この雪山の中、アシㇼパを探しに行って行き違ってしまっても大変なので、アシㇼパに逢いに来た経緯をマカナックルさん(以下、アシㇼパの叔父と表記)に軽く話した。