【金カ夢】夢の中で……。【Golden Kamuy】
第4章 巻き込まれる
ユメコには、入れ墨についての知識がなかったし、杉元の話を聞くと『(なるほど、アシㇼパと佐一が入れ墨を探していたのは、そういう理由だったのか)』と、知りたかった理由を聞けたが、それを聞いてると
『(……あれ、そしたら何で少女であるアシㇼパと一緒にいたのだろうか?)』
と、違う疑問も生まれてきた。
そんな2人を注意深く観察していた鶴見中尉は、ユメコに
「夢乃さん、今のは本当の話だろうか?」
と尋ね、見つめてきたので、ユメコは鶴見中尉に
『はい、変な模様の男がいたという噂を聞き、あの蕎麦屋に杉元と入りました。……食事中に、いきなり第七師団の方たちが銃を持ってきたので、驚愕しました。』
と、鶴見中尉と杉元の思案など分からないユメコは、自分の思ったことを率直に口にした。
「あいわかった。…夢乃さんには此処でお取り引き願おう。ここからは、男同士の話し合いだ。」
ユメコから視線を外した鶴見中尉は、部屋の中にいる部下の1人に、ユメコを送り出すようにと伝える。
鶴見の部下は、杉元を心配し残りたかったユメコの二の腕を掴み、そのままユメコを席から立たせると、連れ出すように歩きだす。
後ろ髪を引かれる思いがあったが、さすが軍人、力が強い。
抵抗する間もなくユメコは兵舎を後にした。