【降谷零】SPARK × PUNK【名探偵コナン】
第4章 「元整備士」×「マスタングGT500」
穴の開いたドレスから指を入れて傷口が見えるように服を避けばそこから見えるのは鮮血と弾痕の後と―――。
「昔、同じところに傷を?」
その弾痕と重なった過去のある傷跡だった。
それもあの銀髪の男は、まるで知っていたかのようにそこにピンポイントに拳銃を押し当てていた。それで私はあの時確信した。
五年前、私の父と母を殺したのはおそらくあの男、もしくはその囲いの仲間であり、なおかつ父と顔見知りである人物。
「……い、一年、前、………こ、高速、道路で、しらないひと、に……、」
そして約一年前、バイクで高速道路を走っていた時どこから飛んできた銃弾がバイクの前輪と腹部を直撃した。時速80㎞のバイクから前輪がパンクした勢いに任せ横転し、後ろに付いていた大型のトラックが迫っていたのに気が付き、とっさの判断で痛みに耐えながら慌てて頭部を覆っていたフルフェイスのヘルメットを脱ぎトラックの下へと身を屈めた。
私の身体の厚さよりひと回り大きなフルへイスのヘルメットは急ブレーキに間に合わなかったトラックとコンクリートの間に挟まり、倒れていたバイクを巻き込んで火花を散らしながら数十メートル先へで止まったのをトラックの下で見たのを最後に、再び目を開けた場所は近くの病院だった。
的確に前輪と腹部を捕らえ打ったことから後に計画的な犯行であると分かったが犯人は防犯カメラやろライブレコーダーを確認しても映ってはおらずお蔵入りになった。
朦朧とする意識の中で途切れ途切れにそう応える。
「撃たれたのか⁉ 同じ場所を……ッ!」
視界もだんだん白くなっていく。男が顔色を変えて再び圧迫止血を始めるが気づけばその手もジャケットも血だらけだ。圧迫して止血はできても、血が固まらず止血が出来ず血が止まらなくなっていた。
「おい! しっかりしろ! クソッ……‼ ジョディ‼ ―――、―――!」
何も、聞こえなくなってくる。さっきまであんなにも痛かったのに、何も感じない。
焦った様子のFBIの男の顔を最後に私は意識を手放した。