【降谷零】SPARK × PUNK【名探偵コナン】
第4章 「元整備士」×「マスタングGT500」
私とルルちゃんの絡みを見ながらまたやってるよ〜と呆れながら笑っている。
「アリスチャン今日も迎え?」
「うん、そうなんだ。ごめんね? また店長に送ってもらお。少なくとも犯人が捕まるまでは…」
「アリスさん」
すると後ろから声を掛けられる。大人っぽい声。
振り返れば騒動の前、ちょうど入ってきた海外からの留学生である、地毛の金髪が綺麗なルカちゃんだった。
「ルカちゃん…? あれ、怪我で休んでたんじゃ…」
「怪我…? ああ、実は仮病なの! 皆には内緒にしといてね…?」
そう言って人差し指を口に添えるルカちゃん。
「本当は明日から復帰だけど、集計の仕方が変わったって聞いて念のため確認に。店長があなたに聞いてほしい欲しいと言われて」
「ああ、分かりました! あ…、でもついさっき終わったばっかりで…」
「そうですよね、私もそんな感じしてました。じゃあ、明日聞いても?」
「そうですね、メモ帳とかあったら便利かもしれないです」
「分かりました、では明日宜しくお願いします」
ルカちゃんは軽く会釈をすると更衣室を出て行った。
綺麗なお姉さんだなぁなんて思いながら時間を確認すると、時刻は既に深夜二時を回っていた。
まずい、帰らないと。
今日風見さんが降谷くんとすれ違いで仕事へ向かうらしく、時間が指定されていたことをすっかり忘れていた。
「ごめん、私この後用があって行かないとなんだ。店長には私が伝えとくから、帰るまでルルちゃんはここで休んでて?」
ルルちゃんの肩をつかみながらそう念を押し、慌ててロッカーからジャケットとバック、飲みかけの水の入ったペットボトルを持ち出すと私は店を後にした。