• テキストサイズ

【降谷零】SPARK × PUNK【名探偵コナン】

第4章 「元整備士」×「マスタングGT500」


「良かった! 気がついたんだね。廊下ですごい音がして様子を見に行ったら二人が廊下で倒れてて……それでそばにこれが…」

そう言って店長が見せて来たのはあの時見た二本の注射器。手の感覚や痺れもないからおそらく毒性のあるものではない。顔を近づけても変な匂いもしないし、おそらく即効性のある睡眠薬の可能性が高い。それに、詳しく調べてみないと、本当にこれを使って私達を眠らせたのかなんてまだわからない。

「でもとにかく、二人とも無事でよかった」
「一体誰がこんなことを……」
「多分ですけど、今、噂になっているやつじゃないですか?」
「アリスチャン…そ、それって………」

私の回答にルルちゃんの血の気が引いていくのが目に見えて分かった。

「今歌舞伎町で噂になってる犯人が、多分この店を出入りしてますよ」

その場にいた全員が私に言葉を聞いて凍り付いた。
生憎、この店は裏路地の廊下には防犯カメラは付いていない。外側から入るには暗証番号を入力して入らなければ裏口からは入れない。

この店は一階が従業員専用のスペースで二階が通常の来客スペース、三階がVIPルームとなっている。
暗証番号を把握していない人であれば表から潜入してくるはずだ。表から店内に入るなら防犯カメラに写っているはず。けど誰も姿を見ていないんじゃ意味がない。

「廊下通った時お話を聞いてしまったんですけど、多分ルカちゃんを襲った人ももしかしたら私達を襲った人と同一人物の可能性が高いですね。スタッフさん達が言っていた話は最近ニュースで歌舞伎町のキャバ嬢が強盗に襲われるニュース。その中で殺人は三件あったと思います。その連続殺人犯のことでしょう」

そして、その犯人はあの組織の人物が同一人物の可能性が高い。
目的は未だ皆無だが、たとえ同一人物だろうと同一人物じゃなかろうとどちらも人一人以上は手にかけている。

「………黒服さん、他になにか聞いてないですか? 身長とか性別とか」

問いかけると彼は頭を悩ませながら絞り出すような声でふつふつと喋り出した。
/ 167ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp