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【降谷零】SPARK × PUNK【名探偵コナン】

第3章 「元整備士」×「スバル360」


「彼に、昔教えてもらったんです」
「あの……彼?」
「ええ、そっくりでしょう?」

そんなこともあったっけ。私は安室くんの問いかけに小さく頷くとハムサンドを頬張った。

そうしている内にも女子高生達の会話は驚く程ポンポンと話が変わる。最近流行りのコスメ、授業のこと、課題や恋バナに将来の夢の話。そして、同じ帝丹高校の出身とあってか、昔の先生の話をしてあげれば以外にも二人に好評で園子ちゃんは笑い転げていた。
そのころ沖矢さんはコナンくんと仲がいいのか何やら話をしているが少し声が小さくて聞き取れない。

「ねぇ、宮下さん。大人になったら過去の話しか出来なくなるのって本当なんですか?」

するとまたも園子ちゃんがそんな話題を吹っ掛けられ、あ~私ももう年だなぁ、と思いながら「そうだね~」と呟いた。

「私も高校生の頃はテストがとか成績とか、未来のことばっかり考えて皆と話してたけど、いざ友人と会うと話すのはあの時の修学旅行楽しかったね、とかあんなこともあったよねとか。そんなことばっかで……」
「あー! ますます大人になりたくない…」
「でも、大人になったらいろいろできるしどっちもどっちだよ」
「私、将来何になりたいかとかまだ決まってなくて。進路希望書とか白紙で…」
「いいんじゃない? まだ時間はたくさんあるし。逆にそう言う時間が楽しかったりするし」
「わかります! 私も真さんとこれからのこと考えてる時が一番楽しい……‼」
「ねぇねぇ、そういえば宮下さんはなんで警察になろうと思ったの?」

すると当然、沖矢さんと話していたコナンくんがそう私に問いかけた。

「…いろいろあってね、警察学校卒業したら実家帰ったんだけど、数年後警察学校で同期だった人に〝お前は優秀だから、警察官に戻らないか〟って言われました」
「それって今の上司 ?」
「ええ」
「なんかプロポーズみたいだね!」

コナンくんが不意にそう言うと同時にカランッとアイスミルクティーの氷が鈴のように鳴る。キッチンではガチャンッ、と皿を重ねる音が響き、話の合間に口に含んでいた私のアイスティーが急速に喉を通ったせいで思わずせき込んだ。
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