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【降谷零】SPARK × PUNK【名探偵コナン】

第3章 「元整備士」×「スバル360」



「私、上の探偵事務所の毛利小五郎の娘の毛利蘭って言います。こっちは友人の鈴木園子で、この子はわけあってうちで預かってる江戸川コナンくん」
「私は、宮下です。まさか、あの眠りの小五郎さんの娘さんに会えるなんて光栄です! 雑誌でよく見てますよ」
「そんな、私は全然…」
「そう言えば、宮下さんって安室さんとどういう関係なんですか?」

口元に手の平を立てながらにやけた笑みを浮かべて小声でそう問いかける茶髪の女子高生園子ちゃん。

「ただの昔の友人ですよ、それ以上でもそれ以下でもないですよ」
「なぁ~んだ、なんか距離感近かったから私てっきり元カノかと……」
「ちょっと園子!」

同じノリで「沖矢さんとは?」と聞かれると沖矢さんが「高速道路で困っているところを助けていただいてたまたま再開した」と答えるとなぜか残念そうに園子ちゃんはうなだれた。

質問攻めを食らう女子高生らしいトークに飲み込まれていると梓さんがメニュー見せながらにこやかに「二人はご注文なににしますか?」と問いかけられる。
蘭ちゃんが言うにはここのハムサンドは安室さんが作っているそうで、園子ちゃん曰はく女子高生にも人気で、『イケメンの作った料理が食べられる』と話題らしい。
降谷くんって料理できたんだ、なんて思いながら二人にお勧めされたハムサンドとドリンクのセットを注文し、ドリンクは梓さんのおまかせで沖矢さんも同じのを同様に注文した。

数分して運んできたのは降谷くんこと安室透くん。「お待たせしました」と、一見澄ました顔で料理を置いているがハムサンドの乗った皿やアイスミルクティーのコップを持つ手が妙に力んでいる。
そんなに沖矢さんが嫌いなのか。もし危険人物であるならばもっとストレートに彼は私に伝えるはず。
それなのにわざわざ『あまり近づかないように』と私に忠告したのは、きっとまだ不確かな証拠しかないのだ。

雰囲気や行動を見ても、悪い人には見えない。それとも個人的な恨みだろうか。
ただ頭は切れるからそっち側だったら厄介な人になるなぁと横目で隣にいる沖矢さんを見ては視線を逸らした。

運ばれて来たハムサンドを手に取って口にするとなんだか懐かしい記憶が蘇った。そう、あれは確か警察学校の時、一ヶ月ぶりの休日で同期の皆と宅飲みすると言っていたあの日。
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