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【降谷零】SPARK × PUNK【名探偵コナン】

第3章 「元整備士」×「スバル360」


通勤がないのはそれはそれで助かるけど、それならいつもと変わらない毎日が続くな〜。と思っていたら初日の朝から何故か降谷くんに叱られている。悪いのは私ではなく事件を起こした犯罪者の方なのに。

やっぱり世の中は理不尽だ。

「で、初日から一体何の用ですか降谷くん」
「いいか、一度しか言わないからよく聞け。ひき逃げ犯が長野から東京へ逃走しているらしい。車はブルーのプリウス、目撃者によればナンバーはおそらく2356、短髪でサングラスの男だ。逃走してから約三時間は経過しているからそろそろこっちに来る頃だろう。追ってくれ」
「了解」
「昨日説明したイヤホンを繋げてから行くんだぞ、今他の用が重なって無線に出るのが俺じゃないかもしれないが連絡はしろ。返答はできないが聞くことはできる」
「はぁい」

降谷くんの説明をスピーカーで流し聞きしながら通話が切れた後にスマートフォンと支給されたワイヤレスイヤホンを繋ぐ。ボタン一つで勝手に繋がり、登録した音声と指紋に反応して瞬時に連絡が繋がるようになる特注品だそうで。確かに見るからに高い見た目している。
内容は逃亡者の発見と追跡。玄関へ駆け出して袖カバーとグローブ、免許書と警察手帳に拳銃を手に取って玄関を出るとガレージ裏の駐車場へ向かう。
そこには一台、私の愛車であるバイクが置いてある。事前にイヤホンとも連携させておいた無線付きのフルフェイスのヘルメットを手に取って上から素早く装着すると私はエンジンをかけアクセルを踏み込み敷地を出た。

すぐさま自宅から一番近いICへと乗り込み新宿方面へとバイクを走らせながら通る車を目で追う。
長野から新宿は約四時間。逃走して約3時間ならそろそろここら辺の高速道路を通る頃。しばらく高速を走らせてから緊急車両用の路肩へ停止し、逃亡者が通過するのを待つ為ハンドサインを出しながらバイクをゆっくりと路肩へ移動する。が、そこにはすでに先客がいた。

丸いフォルムをした赤い車。あれは確か、そう。スバル360だ。どうやらこの車の持ち主である長身で眼鏡をかけた男性がボンネットを開けて何やら中を覗いている。自身のバイクを停車させてからヘルメットを取って「どうかされましたか?」と声をかけながら駆け寄ると私に気づき男性は顔を上げた。
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