【降谷零】SPARK × PUNK【名探偵コナン】
第3章 「元整備士」×「スバル360」
「うまいな、このコーヒー」
するとコーヒーに口を付けていた降谷くんがそう呟く。
「もらいものです。確か…フランスのだとか言ってました。私コーヒー飲まないのであげましょうか? 封開けちゃったし、使いきれなかったら同僚にでも上司からコーヒー淹れてあげてください。きっと顔色変えて謝って来る面白い顔が見れますよ。〝あの降谷さんにコーヒーを入れさせてしまった〟って」
冗談を交えてそう言えば少しして降谷くんがフッと鼻で笑っう。
「風見ならいいそうだな」
「ふーん、…………あの時の眼鏡の?」
「ああ、良く分かったな」
そう言ってまた降谷くんはまたコーヒーに口を付けた。
〝『ええ、大変ですけど。彼のストイックさは、尊敬しています』〟
私はこの時、ふと降谷くんの部下である風見さんの言葉を思い出す。
「ただの仕事人間があんな風にいわれる為には、結構時間がかかるものだからね」
「風見がまた何か言ったのか?」
「また? まさかトラブルメーカー? 私はてっきり右腕なのかと思ってたど」
「…いいや、どっちもだな」
コーヒーカップをグイッと傾けて飲み干した。
すると契約内容とマニュアルはどれくらいで覚えられそうかと問いかけられ、私は書類の束を見つめた。
「三日かな」
「じゃあ二日後にここに迎えに行く、一度契約者本人に警視庁に来てもらって……それから拳銃だろ、それと…」
「……」
あいつに鼓膜はちゃんと付いているのだろうか。それとももう老化が始まってしまっているのか。
白く鋭い視線を降谷くんに向けていると私の書き終わった書類をまとめて封筒へ入れながら口頭でつらつらと今後の予定を喋り出した。